メモ

WordPress開発元のAutomatticがWP Engineにライセンス料として収益の8%を要求していたことを公表


WordPressの開発企業であるAutomatticがWordPressに特化したホスティングプラットフォーム・WP Engineに対してWordPressのライセンス使用停止を宣告した件で、AutomatticはWP Engineと交わす予定だったライセンス使用許諾契約を明らかにしました。

Automattic—WP Engine Term Sheet – Automattic
https://automattic.com/2024/10/01/wpe-terms/


Trademark License Agreement
(PDFファイル)https://automattic.com/wp-content/uploads/2024/09/term-sheet-wp-engine-inc.-automattic-trademark-license_09.19.2024-1.pdf

WordPress biz Automattic details WP Engine deal demands • The Register
https://www.theregister.com/2024/10/02/automattic_wp_engine_wordpress_license/

WordPressはオープンソースのサイトコンテンツ管理プラットフォームで、WordPressの生みの親であるマット・マレンウェッグ氏が設立するAutomatticはWordPressの開発に貢献する企業の1つです。そして、WordPressのオープンソースプロジェクトの運営ならびに商標ライセンスは、マレンウェッグ氏が設立した非営利団体であるWordPress Foundationが管理しています。


発端となったのは2024年9月に開催されたWordPressのユーザーイベント・WordCamp US 2024で、マレンウェッグ氏がステージ上で「WP EngineはWordPressの癌(がん)である」と発言したことでした。

AutomatticのCEO兼WordPressの開発者のマット・マレンウェッグ氏がWP Engineを「WordPressの癌(がん)である」と痛烈に批判 - GIGAZINE


マレンウェッグ氏は、WP EngineがWordPressのリビジョン管理機能をデフォルトでオフにしていると指摘し、「WP EngineはWordPressコミュニティへの貢献と投資が少ないにもかかわらず、WordPressを改変してWordPressと偽って提供している」と批判しました。

さらにその後、AutomatticはWP EngineにWordPress商標の使用停止命令書を送付し、WP Engineからwordpress.orgへのアクセスをブロックすることを発表しました。

WordPressがWP Engineからのアクセスをブロックすると発表、「サイトが壊れたユーザーはWP Engineに直してもらって」と述べる - GIGAZINE


WP Engineはマレンウェッグ氏とAutomatticに対して発言の撤回を要求。同時に、WP Engineの最高法務責任者であるホリー・ホーガン氏は「マレンウェッグ氏はWP Engineに対して多額の金銭を要求し、応じなければ『焦土戦術』を取ると脅迫した。WP Engineが要求に応じなかったため、マレンウェッグ氏はWordCamp US 2024のステージで虚偽の発言による誹謗(ひぼう)中傷を行った」と指摘しました。

WP Engineの「マレンウェッグ氏に脅迫された」という主張に対し、Automatticは「それは真実ではありません。AutomatticはWP Engineに対して、ライセンス契約あるいはWordPress開発に費やす従業員の労働時間という形で、収益の一定割合をWordPressに還元してほしいと口頭で合意を求めました」と述べています。

さらに、Automatticは2024年9月20日にWP Engine側に提示した契約条件書の全文を公開。その中では、「毎月の収益の8%をロイヤリティとして支払う、あるいは毎月の収益の8%に相当する従業員給与をWordPressのコア開発に充てる」「Automatticやその関連会社のソフトウェアを、Automatticのパートナーシップを妨げるような方法で改変することを禁止する」「契約期間は7年で、自動更新される。90日前の通知で更新を拒否可能」といった内容が定められていました。

また、AutomatticはWP Engineとの交渉を時系列で説明。交渉は2023年2月頃から進められたそうですが、2024年7月になってもまとまらなかったためにAutomattic側が懸念を表明し、さらに2024年9月19日と20日にマレンウェッグ氏がWP Engine側に電話をかけたものの、応答がなかったとAutomatticは主張しました。

なお、Automatticは契約条件書の全文を公開しましたが、「2024年9月20日以降のWP Engineの行動、ごまかし、無能さを考えると、この契約条件はもはや十分ではありません」と、コメントに怒りをにじませています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
AutomatticのCEO兼WordPressの開発者のマット・マレンウェッグ氏がWP Engineを「WordPressの癌(がん)である」と痛烈に批判 - GIGAZINE

WordPress開発元のAutomatticがWordPress商標の使用停止命令書をWP Engineに送付 - GIGAZINE

WordPressがWP Engineからのアクセスをブロックすると発表、「サイトが壊れたユーザーはWP Engineに直してもらって」と述べる - GIGAZINE

WordPressの創始者マット・マレンウェッグが来日、WordPressとウェブの未来について語りました - GIGAZINE

WordPressが100年にわたりデータやドメインを守っていく新プランを発表 - GIGAZINE

WordPressの人気プラグイン「LiteSpeed Cache」に重大な脆弱性があることが判明、数百万ものウェブサイトが乗っ取られる可能性も - GIGAZINE

in メモ,   ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by log1i_yk

You can read the machine translated English article here.