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マーク・ザッカーバーグの下で働いて学んだ10の教訓

by Anthony Quintano

デジタル商品の販売プラットフォームであるAppSumoの設立者で、Facebookの初期メンバーの一人だったノア・ケイガン氏が、Metaのマーク・ザッカーバーグCEOと一緒に仕事をしていた頃を振り返り、ザッカーバーグCEOから学んだ10の教訓をまとめています。

What I Learned Working For Mark Zuckerberg - Noah Kagan
https://noahkagan.com/what-i-learned-working-for-mark-zuckerberg/

01:一つの目標に集中すること
ザッカーバーグCEOは、Facebookの目標を「10億人のユーザー獲得」と明確に定めていました。この目標を強調するため、ザッカーバーグCEOはホワイトボードに「GROWTH(成長)」と大きく書いていたとのこと。

チームメンバーがアイデアを提案する際、ザッカーバーグCEOは常に「これは成長に貢献するか?」と問いかけ、もし提案が成長という目標に直接関係しないものであれば、それは実行されませんでした。例えば、ケイガン氏が収益性の改善のためにFacebookイベント内でチケット販売を提案した際も、ザッカーバーグCEOは「それは主要な目標である成長に直接寄与しないと判断した」という理由で却下したそうです。

by Robert Scoble

02:迅速に行動すること
Facebookでは、迅速な行動が重視されており、従業員は通常1日12時間以上働くのが当たり前でした。ザッカーバーグCEOは常に緊急性を持って行動するよう従業員に求めていました。また、社訓として「Move fast and break things(迅速に行動し、物事を打破せよ)」が掲げられており、ザッカーバーグCEOは「物事を打破できていないなら、十分に速く動いていない」と言っていたそうです。この考え方の背景には、コミュニティが求めているものをより早く学ぶために、ある程度のバグや欠陥は許容するという姿勢がありました。

Facebookでは毎日複数回のサイト更新が行われていましたが、これは製品の詳細を何ヶ月もかけて書き出し、多くの会議で議論してから最終的に構築するといった、Microsoftのような大企業のアプローチとは対照的なものでした。ケイガン氏は、スタートアップにとって大企業に対する最大の武器はスピードだと強調しています。


03:最高レベルの人材のみを雇用すること
ザッカーバーグCEOは、自分自身が喜んで働くことができるような人材だけを雇用するという方針を持っていました。例えば、Facebookのカスタマーサポートチームでさえハーバード大学の博士号取得者で構成されていたことが挙げられています。また、Facebookの初期メンバーたちはAsana、Quora、AppSumo、OpenAIなどの著名な企業の設立に関わっていますが、これはFacebookが集めた人材の質の高さを裏付けているとケイガン氏は述べています。

ケイガン氏は、スタートアップは大企業と比較して優秀な人材に大きく依存しており、最初の10人の雇用が最も重要だと強調しています。

by Craig Kohtz

04:従業員を大切にすること
ザッカーバーグCEOは、魅力的な職場環境を提供することが潜在的な従業員を引き付け、既存の従業員の誇りを高め、より長時間働く動機づけになると認識していました。Facebookは当時としては先進的で、「全員にPowerBookとBlackBerryの支給」「朝食、昼食、夕食の無料ケータリング」「様々な飲み物が揃った冷蔵庫」「ラスベガスへの全額払い社員旅行」「補助付き住宅」など、現在では多くの企業で標準となっている様々な福利厚生を提供していました。

ケイガン氏は、人は他人から認められたいと思っているため、従業員を大切にすることで仕事の質が向上し、士気が高まると指摘しています。また、こうした取り組みは、会社の文化を形成し、ブランドイメージを向上させる上でも重要な役割を果たし、優れた従業員体験は顧客体験の向上にもつながり、結果として企業全体の成功に貢献します。

05:自分自身の問題を解決すること
Facebookはもともとハーバード大学を含むいくつかの大学の学生同士が交流するための場として提供されました。つまり、ザッカーバーグCEOらは学生が抱えていた問題を解決するためにFacebookという製品を生み出したといえます。ケイガン氏は、「今これが流行っているから」という理由だけでビジネスを始めるのではなく、自分が本当に理解し、情熱を持てる分野で始めることが大切だと述べ、「自分が本当に欲しいものを作り、それを他の人と共有しよう」ということが成功するビジネスの出発点になる可能性が高いと主張しました。

by Scott Beale

06:細部に注意を払うこと
ケイガン氏によると、ザッカーバーグCEOは文書中のピリオド1つの欠落を指摘するために深夜3時にメールを送ってきたとのこと。また、ザッカーバーグCEOは不完全なものを受け入れず、何かが基準に満たないと感じた場合、率直にそれを指摘してやり直しを求めました。例えば、「Facebook」の「F」を必ず大文字にすることにザッカーバーグCEOはこだわっており、ケイガン氏はブランドの一貫性を保つための細部へのこだわりだったと評価しています。また、ザッカーバーグCEOは高い品質基準を設定し、チーム全体にそれを求めたとのこと。ザッカーバーグCEOの要求は時に困難を伴いましたが、同時に非常にやりがいのあるものでもあったとケイガン氏は述懐しています。

07:チームにオーナーシップを与えること
ザッカーバーグCEOは日々の業務に深く関与するのではなく、大局的なビジョンに集中し、チームに目標と境界線を設定した上で自由に動く権限を与えました。また、サイドラインからコーチングを行い、チームメンバーが自主的に機能を考案し実装することを許可していたとのこと。例えば、Facebookのモバイル版アプリの開発では、具体的な詳細はチームに一任されたそうです。

ケイガン氏は、このアプローチによりチームがプロジェクトのオーナーとして自覚し、行動するようになると指摘しています。これはモチベーションの向上、創造性の促進、スキル開発、迅速な意思決定、そしてリーダーシップの育成につながります。

by Jakob Steinschaden

08:ユーザーを「人間」として扱うこと
ザッカーバーグCEOは、チームメンバーが「ユーザー」という言葉を使うと文字通り怒鳴ったそうです。ザッカーバーグCEOは「彼らは人間だ」と強く主張し、製品を利用する人々を単なる数字や統計ではなく、個々の人間として捉えることの重要性を強調しました。ユーザー名やメールアドレスの向こう側にいる実際の人間を想像し、その人々が直面している問題や課題に共感することで、より良いサービスを提供できるとザッカーバーグCEOは考えていたとのこと。

製品開発やカスタマーサービスにおいて、単に数字を追うのではなく、実際のユーザーの体験や感情を理解し、それに基づいて決定を下すことにより、ユーザーのニーズにより適切に応え、より深い関係性を構築することが可能になるとケイガン氏は述べています。

09:適切な人材を維持すること
ケイガン氏によると、ケイガン氏が入社したその日に彼の上司が解雇され、その1カ月後に次の上司が解雇され、ケイガン氏自身も9カ月後に解雇されたそうです。ザッカーバーグCEOは、Facebookの成長を妨げる人材をすぐに会社から除外する一方で、会社の目標達成に貢献する人材を迅速に昇進させる方針を取っていました。組織の健全性と効率性を維持するためには、継続的に人材を評価し、適切に配置することが重要だというわけです。

ケイガン氏は、この経験を自身の会社で活かし、新しいチームメンバーを迎える際には、まず有給のトライアル期間を設けて適性を見極めてから正式に採用するという方法を採用しているそうです。この方法により、両者にとって良好なマッチングを確保し、長期的な成功につながる人材を確実に採用することができるとケイガン氏は述べています。

by Anthony Quintano

10:大きなビジョンを持つこと
ザッカーバーグCEOはまだFacebookがスタートしたばかりの頃、10億ドル(当時約1000億円)の買収提案をもちかけられました。当時20代だったザッカーバーグCEOらにとって、これは途方もない金額でしたが、ザッカーバーグCEOは「世界中の全ての人々をつなげることが目標だから」という理由でこの提案を断りました。この巨大なビジョンは、チーム全体に強い影響を与えたとケイガン氏は述べ、この時期のFacebookでは仕事が単なる仕事以上のものに感じられ、Facebookのことばかり考え、話し、夢見ていたと語っています。

ケイガン氏は「大きなビジョンは、社員が最高のパフォーマンスを発揮する動機づけとなり、単なる仕事や金を超えた使命感を生み出し、社員の献身的な努力を引き出します」と述べました。

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in メモ,   ネットサービス, Posted by log1i_yk

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