生き物

ティラノサウルス科恐竜の新種が中国で発見される


中国・浙江省にある自然史博物館の古生物学者チームが、ティラノサウルス科恐竜の新種を発見したと報告しました。この恐竜は鼻口部が長いことが特徴だと伝えられています。

The first deep-snouted tyrannosaur from Upper Cretaceous Ganzhou City of southeastern China | Scientific Reports
https://www.nature.com/articles/s41598-024-66278-5


New species of tyrannosaurid dinosaur identified in China
https://phys.org/news/2024-07-species-tyrannosaurid-dinosaur-china.html

ティラノサウルスには30種ほどのティラノサウルス亜科が存在し、いずれも大きな体格と鋭い歯が生えた大きくて深い鼻口部が存在することで知られています。現在の北アメリカ大陸やオーストラリア大陸から化石が見つかっているほか、中国やモンゴルなどのアジア大陸でも化石が発見されています。


中国では、江西省と広東省に分布する「南雄層」と呼ばれる地層からティラノサウルスを含む恐竜の化石が非常に多く見つかっており、特に「キアンゾウサウルス」などが発見されたことで知られています。新たに、南雄層から発掘された化石が新種であったと科学者らが報告しました。

今回報告された恐竜は「Asiatyrannus xui」と名付けられました。属名は「王」や「暴君」を意味する「tyrannus」とAsiaを組み合わせたもので、種小名は中国の恐竜研究に多大な貢献をした古生物学者のXing Xu(徐星)氏から取っているとのことです。また、科学者らは「Asiatyrannus」を新しい亜科として記載しています。

Asiatyrannus xuiはもともと2017年9月に江西省贛州市南康区沙河鎮の建設現場で発見されたもので、ほぼ完全な頭蓋骨と、尾椎を含む部分的に関節が切り離された頭蓋後骨格、右大腿骨、脛骨、腓骨など多くの部位を復元できたそうです。


特徴的だったのは長い鼻口部を持っていたことです。キアンゾウサウルスも「鼻が長い」として知られている種ですが、Asiantyrannus xuiは頭骨がキアンゾウサウルスの半分しかないにもかかわらず、同じように多種と比較して長いことが確認されました。記事作成時点ではAsiantyrannus xui一種しか確認されていないAsiantyrannusは、アジア最南端に生息していたティラノサウルスだと考えられ、他のティラノサウルスと比べて体格が小型であることから、比較的小さくて素早い獲物を食べていたのだろうと科学者らは推測しています。

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in 生き物, Posted by log1p_kr

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