生き物

古代のタコス型節足動物に大顎があることが判明し長年の謎が解明される


体全体が背甲で包まれ、まるで「タコス」のように見える古代生物「オダライア」に大顎があることが判明しました。100年以上前に発見されたオダライアが一体どんな生き物だったのか、何をどのように食べていたのかといった疑問が、今回の発見で解消される見込みです。

The Cambrian Odaraia alata and the colonization of nektonic suspension-feeding niches by early mandibulates | Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences
https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rspb.2024.0622


What a Bizarre Taco-Shaped Sea Creature Can Teach Us About Evolution
https://scitechdaily.com/what-a-bizarre-taco-shaped-sea-creature-can-teach-us-about-evolution/

Taco-shaped arthropod fossils give new insights into the history of the first mandibulates
https://phys.org/news/2024-07-taco-arthropod-fossils-insights-history.html

オダライアは30対ほどの脚を持った節足動物で、体のほとんどが背甲に包まれています。奇妙な背甲の形状が獲物の捕獲に役立っていたのではないかと推測されていますが、どのように捕獲していたのかは謎のままでした。

ロイヤル・オンタリオ博物館の古生物学者であるアレハンドロ・イスキエルド・ロペス氏らは、バージェス頁岩で発見されていたオダライアの化石を再調査し、口付近に一対の大きな器官があることを確認しました。この器官は、大顎類(だいがくるい)に見られる大顎の特徴を示していました。


さらに、ロペス氏らがオダライアの脚を調べたところ、脚付近に大小のトゲが複雑に入り組んでいることを発見しました。このことから、ロペス氏らは「トゲが絡み合って漁網のようになり、小さなプランクトンなどの獲物を捕らえ、大顎で捕食していたのではないか」と推測しています。


大顎類といえば、ムカデやカニ、ハチなどが当てはまる分類群です。今回の共同研究者であるジャン=ベルナール・カロン氏は、「バージェス頁岩は古生物学的情報の宝庫です。私たちの研究のおかげで大顎類の初期の進化についてたくさんのことがわかっていますが、オダライアのように謎に包まれた種もいるのです。オダライアのような初期の大顎類は、海底に生息する生態系のうち上層に移動することができた動物の一部であった可能性があります。このようなタイプの動物は、生活型を豊かにし、より複雑な生態系への移行を促進した可能性があるのです」と述べました。

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in 生き物, Posted by log1p_kr

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