婚約者の好みに合わせて自作で結婚指輪を作る方法
ソフトウェアエンジニアのジェフ・グリア氏が、自身の結婚に向けて結婚指輪を自作した方法について解説しています。
Geoff Greer's site: Making My Own Wedding Rings
https://geoff.greer.fm/2024/07/07/making-my-own-wedding-rings/
最終的に純金の指輪の作成を目指すグリア氏はまず、自作のための方法を考案。作成にはロウを使った鋳造方法の一種である「ロストワックス鋳造」と同様の方法が用いられました。グリア氏はロストワックス鋳造におけるロウの代用として3Dプリンターで作成した指輪の金型を使用。そこに溶かした金属を流し込むことで指輪を作成するという手法です。
しかし、グリア氏の元には鋳造用の道具がなかったとのこと。そこでグリア氏は石こうや釜、るつぼ、ほう砂、指輪の素材となる純銀などを購入しています。
実際の工程が以下。まずは作成したい指輪を3Dプリント。
窯に3Dプリンターで作った指輪を入れ、石こうを流し込みます。その後、気泡を取るため真空ポンプに投入。次に窯を加熱し、石こうを硬化させるとともに3Dプリント用のフィラメントを燃焼・気化させます
ほう砂を塗ったるつぼをバーナーで加熱し、金属を溶かします。
十分に金属が溶けたら、型に金属を流し込みます。
冷え固まったら石こうと余計な金属部分を除去。
指輪の形になった金属がこんな感じ。
金属を研磨して指輪の完成です。
しかし、単一の素材で指輪を作成すると「気泡が入る」という問題が生じたそうです。そこでグリア氏は銀と金の比率が9:1の合金で指輪を作成。また、鋳造の際により密閉して空気の混入を避けるために鋼板にゴムを取り付けたとのこと。
ですが、加熱するとゴムが溶けてしまい、適切に密閉することができませんでした。そのため、出来上がった指輪は最初のテストと同様に質の悪いものでした。
その後グリア氏はゴムをシリコンゴムに交換してテストを実施。指輪の外側の見栄えははるかに良くなったものの、依然として内側には見た目上の欠陥を抱えていました。
さらに、グリア氏は金属の加熱時間を延ばしたり、指輪をなめらかに研磨するのではなくハンマーで叩いたりと、試行錯誤を続けます。その結果、研磨するよりも光沢感は失われたものの、婚約者の好みに合った指輪を作ることに成功。
最終的にグリア氏は同様の方法を用いて金の指輪を作成。グリア氏は「金の指輪はとんでもなく派手ですが、非常にクールです」「他の人にお金を払って指輪を購入するのは、それほどクールでもロマンチックでもありません。一方で、苦労して作成した指輪を見ると、そのたびに自分の努力や試行錯誤、失敗、挫折、そして成功を思い出すことができます」と語りました。
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