メモ

Z世代の若者がゲームにハマるのは「行き場所が他にないから」という指摘


1996年から2012年に生まれた「Z世代」の若者がなぜ多くの時間をゲームに費やすかについて、イギリス大手紙・The Guardianでゲームの話題を担当しているキース・スチュアート氏とケーザ・マクドナルド氏が「それは行き場所が他にないからではないのか」と指摘しています。

It’s not them, it’s us: the real reason teens are ‘addicted’ to video games | Games | The Guardian
https://www.theguardian.com/games/article/2024/jul/09/its-not-them-its-us-the-real-reason-teens-are-addicted-to-video-games


The Guardianは、特集企画「The Observer」でゲーム中毒の子どもたちに関する記事を掲載しました。この記事は、10歳未満の子どもでゲーム中毒になってしまった子どもの事例などを挙げ、ゲーム中毒がいかに深刻かを専門家に聞く内容となっています。

実際、WHOが2018年に発表した国際疾病分類の第11回改訂版(ICD-11)で、新たに「ゲーム障害」が加わっています。そしてイギリスでは、国立のゲーム障害センターを設立し、1000人以上の治療を行ってきたとのこと。

しかしスチュアート氏らは、子どもたちがゲームに時間を費やす理由の多くはゲーム障害などとは無関係で、「子どもたちは行き場所が他にないから」と説明しています。

スチュアート氏らはZ世代を「特に監視される世代」と表現。親たちは、Z世代の子どもたちが外に出ないことについて文句を言うものの、本来なら子どもたちが自由に出かける先だった町の公園や歩行者天国などがいまや公共の場ではなく、警備員がいて何をしているか監視される場所になってしまっているため、Z世代の若者たちは居場所が奪われていると指摘しました。


そういった状況にあるZ世代の若者たちにとって、ゲームの世界は、大人のコントロールが及ばない最後のフロンティアだというわけです。ゲームの世界であれば、1日中友達と一緒にいることができます。

1日中、自室に閉じこもっているのは不健康であり、人との関わりが薄くなってしまうというのは確かに事実です。しかし、若いころから「いつか家を持つ」という夢を持つこともできず、最低賃金もそれほど上がらず、生涯にわたって安定した仕事ができる保証もないZ世代が不安を抱きがちであることを責めることなど誰にもできない、とスチュアート氏らは述べています。

Z世代は3人に1人がうつ病や不安などのメンタルヘルスの問題を抱えているといわれ、また、Z世代は長時間ゲームをすることがわかっていますが、2つの事象に因果関係は認められていません。大人たちが、勝手にZ世代の若者たちの抱える問題を、SNSやゲーム、スマートフォンなどのせいにしようとしているだけだと、スチュアート氏らは厳しい目を向けています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
Z世代に広がる頑張りすぎない働き方「静かな退職」が労働者にも職場にもプラスになる理由とは? - GIGAZINE

現代人の苦しみは「人類の進化と文化のミスマッチ」が原因のひとつだという指摘 - GIGAZINE

Z世代はインフルエンサーが実際の人間であるかどうかをほとんど気にしていないことが最新の調査で明らかに - GIGAZINE

Z世代の若者の方が高齢者よりもオンライン詐欺の被害に遭いやすいのはなぜなのか? - GIGAZINE

10代の若者はYouTubeよりもTikTokを見る時間の方が長くなっているという調査結果 - GIGAZINE

in メモ, Posted by logc_nt

You can read the machine translated English article here.