サイエンス

最大級の陸生哺乳類であるカバが「空中に浮く能力」を持っていることが明らかに


主に水場で暮らすカバは、体長3.5~4m、体重が2000kgを超えることもある大型の陸生哺乳類です。ロンドン大学王立獣医学部の研究で、カバが高速で地上を移動する際に宙に浮く能力を持っていることが報告されています。

Footfall patterns and stride parameters of Common hippopotamus (Hippopotamus amphibius) on land [PeerJ]
https://peerj.com/articles/17675/

Hippos might fly: UK research discovers animal can get airborne | Animals | The Guardian
https://www.theguardian.com/world/article/2024/jul/03/hippos-might-fly-uk-research-discovers-animal-can-get-airborne


ロンドン大学王立獣医学部のジョン・ハッチンソン氏らの研究チームは、走る32頭のカバを撮影し、169種類の映像を分析しました。調査の結果、別のカバを追いかける時やライオンやサイなどに追われている時などに「速歩(トロット)」と呼ばれる走り方が確認されました。

Hippo 'flies' lifting all four hooves in fast trot - YouTube


トロットとは、対角線上にある脚を同時に前に動かして着地する走法です。トロットの際には4本の脚が全て地面から離れるタイミングがあり、背中の上下運動も確認されます。研究チームによると、速さのピークに達したカバは、各歩幅の約15%で完全に地面から離れていたとのこと。


ハッチンソン氏は「カバは基本的に水中で過ごしており、非常に攻撃的で危険な動物です。そのため、カバに関する調査は非常に難しく、陸上を移動する方法についてはこれまでほとんど知られていませんでした」と語っています。

馬やサイ、キリンといった他の大型の陸生哺乳類は速度に応じて走り方を変えることが知られており、トロットだけを行うカバは非常に珍しいケースであることが指摘されています。ハッチンソン氏は「貴重な発見です」と述べました。


ハッチンソン氏によると、今回の研究結果はカバの飼育方法の改善に役立つだけでなく、身体的な問題を抱えるカバの発見と監視にも役立つ可能性があるとのこと。また、研究チームはコビトカバは幼い頃に限りギャロップすることが確認されたことから、成長に伴ってギャロップの能力が失われることについて研究を進めることを報告しています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
野生のカバに怪しまれず近づく方法 - GIGAZINE

ワニに襲われたヌーをカバが救出するムービーが話題に - GIGAZINE

カバのうんちが魚を大量死させる原因になることが明らかに - GIGAZINE

密猟防止のため生きたサイの角に放射性物質を投与する試み - GIGAZINE

ゾウの密猟者をサーモカメラと機械学習で発見するシステムを17歳少女が開発 - GIGAZINE

in サイエンス,   生き物,   動画, Posted by log1r_ut

You can read the machine translated English article here.