密猟防止のため生きたサイの角に放射性物質を投与する試み
サイの密猟を防ぐため、角に放射性同位元素を注入して、サイにとっては無毒ながら人間にとっては有毒という状態にして価値を落とし、また、密猟された場合に容易に検出できるようにするという「THE RHISOTOPE PROJECT」という試みが行われています。
Rhisotope – Saving Rhinos with Science
https://rhisotope.org/
2024-06 - A Novel way to save Rhinos - Wits University
https://www.wits.ac.za/news/latest-news/general-news/2024/2024-06/a-novel-way-to-save-rhinos-.html
World First: Scientists Make Live Rhino Horns Radioactive to Fight Poaching in South Africa : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/world-first-scientists-make-live-rhino-horns-radioactive-to-fight-poaching-in-south-africa
WATCH | A novel way to save rhinos - YouTube
以下は「The Rhisotope Project」による公式動画で、どのような取り組みを行っているのかをわかりやすく解説する内容となっています。
The Rhisotope Project - YouTube
プロジェクトの共同創業者、ジェームズ・ラーキン教授。南アフリカ共和国のウィットウォーターズランド大学で放射線保健物理学ユニットの責任者を務めています。また、国際原子力機関(IAEA)の国際核セキュリティ教育ネットワークでは委員長を務めた経験もあります。
サイが密猟される理由は、その角が伝統的な薬の原料や美術工芸品として価値があり、高値で輸出できるためです。そこでラーキン教授らは「サイの角の価値を下げる」ことによって、サイを救う方法を探しました。
その結果たどり着いたのが、角に放射性物質を注入するという方法です。放射性物質の注入された角は追跡が容易になるほか、南アフリカ共和国では「放射性物質」所持は国家に対する罪とみなされる重罪なので、取り扱いが難しくなるという寸法です。
プロジェクトは東部ケープ州鳥獣保護区を管理する団体と協力して、サイの角に放射性物質を注入したときの影響についての研究も進めています。
ラーキン教授らは将来的には年間3000頭のサイを救済していく予定だとのこと。
保護活動の対象は象、センザンコウ、その他の動植物にも拡大されているとのことです。
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