「ドーナドーナ」キラキラから釣りキチ三平までワンダーフェスティバル 2024[冬]のワンダーショウケース第43期まとめ

世界最大級の立体物イベントであるワンダーフェスティバルで、新進ガレージキット作家の育成と繁栄に目的を置き、ワンダーフェスティバルで活躍するアーティストによる作品をプレゼンテーション作品として選出するアーティストプロデュースシステムが「ワンダーショウケース」です。2024年2月11日に開催されたワンダーフェスティバル 2024[冬]では3名のアーティストの作品が第43期ワンダーショウケースに選出され、現地会場でも展示されていました。

Wonder Showcase Officail Web Site
https://www.wondershowcase.com/index_2.html

◆WSC#117：さより「キラキラ 戦闘ver.」
「針魚工房」のさよりさんは、実は人気美少女アドベンチャーゲーム「ねこぱら」をリリースするゲームブランド「NEKO WORKs」の創設者。さよりさんはオタク趣味全般に興味を持っているそうですが、特に美少女コンテンツがやはり「ダントツに抜きん出た存在」だとのこと。

自分の理想のフィギュアを作りたいという気持ちで、わずか1年でZBrushをマスターして作り上げたのがこの作品。モチーフになっているキャラクターは、成年向けゲーム「ドーナドーナ いっしょにわるいことをしよう」のキラキラです。

さよりさんはイラストレーターでもあることから、「他人が描いたイラストでもまったく悩まず絵の特徴を立体にすんなり翻訳できる」とのことで、元のキャラクターデザインを忠実に再現した作風が特徴です。

さよりさんは「このキャラクターを知らない一般の人が見ても“かわいい！”と思ってもらえるように心がけて造形した」と語っています。

◆WSC#118：tona「Arms Fort アンサラー」
原型は「ハーブ工房」のtonaさん。2022年の夏に初めてワンダーフェスティバルを知ったというtonaさんは、自身の3Dモデリングスキルを生かしてガレージキット製作を始めたとのこと。作品のモチーフは、tonaさんが中学生時代にハマっていたゲーム「アーマード・コア2」の進化版的存在「アーマード・コア フォーアンサー」のArms Fort アンサラーです。

複数の羽が傘のように広がる飛行要塞で、作中のさまざまな技術のベースとなっているコジマ粒子をばらまき、生体活動に深刻な悪影響を及ぼすコジマ汚染を巻き起こします。tonaさんは200枚を超えるスクリーンショット画像を撮り、1時間半にも及ぶゲームプレイ動画を録画することによって、全体像を把握することができたとのこと。

「元のモデルが有する神々しさと不気味さの再現を試みながら、キットとして作りやすいものになるように心がけた」とのことで、複雑で細かいディテールを大事にしながらも、ガレージキットとしての構造も意識しているとのこと。

tonaさんによれば、「たなびくボロボロのマントを模した羽のトラス構造や連なる砲台、目玉のようなジェネレーター」がとくにこだわり抜いた部位だそうです。

◆WSC#119：芳雛「三平くんと魚紳さん」
「ひなもり」の芳雛(よしひな)さんによる「釣りキチ三平」の主人公である三平とその相棒であり師匠でもある魚紳を立体化した作品。芳雛は三平に心を奪われ、仕事中も三平を描き、自宅に帰ればPCを立ち上げてZBrushで三平をモデリングする毎日だったとのこと。

新型コロナウイルスの自粛明けにワンフェスに参加することとなり、「ならば最後は売れようが売れまいがとびっきり自分の好きなように作って玉砕してやる！」という意気込みにて三平を造形したところ、SNSで話題になり即完売したというのがこの作品。

躍動感あふれるポーズ、爽やかな笑顔、伸びのあるしなやかな手足と、網目まで細かく刻まれた麦わら帽子。

三平くんを暖かく見守る魚紳さん

芳雛さんは「フィギュアはさまざまな角度から見たり触ったりすることができるのが最大の魅力であり、二次元から三次元に存在させることができるのが何より楽しいのです。そこに自分の思いを乗せて公の場で発表できるなんて、こんなにすばらしいことはほかにはありません」とコメントしています。