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イーロン・マスクが反イスラエル主義発言で物議を醸す、Xユーザーのヒトラー再評価の投稿に反発してIBMがXへの広告出稿を停止

by UK Government

X(旧Twitter)で、親ナチス関連の投稿の隣にAppleやOracleなどの大手企業の広告が表示されているとの告発を受けて、IBMがXへの広告出稿をとりやめることを発表しました。一方Xの会長兼CTOであるイーロン・マスク氏は、白人至上主義や反イスラエル主義に関連したXの投稿に同調するポストを繰り返して波紋を呼んでいます。

As Musk endorses antisemitic conspiracy theory, X has been placing ads for Apple, Bravo, IBM, Oracle, and Xfinity next to pro-Nazi content | Media Matters for America
https://www.mediamatters.org/twitter/musk-endorses-antisemitic-conspiracy-theory-x-has-been-placing-ads-apple-bravo-ibm-oracle

IBM pulls adverts from X after report finding they ran next to Nazi content
https://www.ft.com/content/647b4c4d-f4d5-46cd-bc26-8c943b6995e7

IBM stops advertising on X after report says ads ran by Nazi content
https://www.cnbc.com/2023/11/16/ibm-stops-advertising-on-x-after-report-says-ads-ran-by-nazi-content.html

広告収入の低迷に苦しむXのリンダ・ヤッカリーノCEOは以前、「ブランドは有害なコンテンツの隣に表示されるリスクから守られています」と確約したことがあります

しかし、保守的メディアへの対抗を目的に発足された左派非営利団体のMedia Mattersは2023年11月16日に、「Xは親ナチスのコンテンツの隣にApple、Bravo、IBM、Oracle、Xfinityの広告を掲載している」と報じました。

以下は、Media Mattersが示した具体例です。「スピリチュアルな目覚め」は実際にはナチズムに目覚めることだと示唆するような投稿の直下にIBMやAppleの広告が掲載されています。


アドルフ・ヒトラーの発言を引用した画像の下にOracleの広告が掲載されていることもありました。


この報道を受けて、IBMはXのグローバル広告から即時撤退したと発表しました。IBMは経済紙・Financial Timesに対し、「IBMはヘイトスピーチや差別を一切許容しません。このまったく容認できない状況を調査する間、Xに関するすべての広告を直ちに停止しました」と述べました。

一方、Xの広報担当者はメディアに対し、Media Mattersが指摘した投稿者の収益化を停止すると述べた上で、「Xの広告システムが意図的にブランド広告をこの種のコンテンツの隣に配置することはありません。Media Mattersのようなグループは、X上の投稿を積極的に検索し、そのアカウントにアクセスし、広告が表示されたらできるだけ多くの広告を捕捉するために更新ボタンを押し続けています」と述べて、Media Mattersの告発はごく少数の偶発的な事例を取り上げたものに過ぎないと説明しました。

広告主らが、Xでのヘイト増加に対する懸念を募らせている状況を解消するため、ヤッカリーノCEOはXへのポストで「Xの視点は常に、すべての人による差別は全面的に停止すべきだという非常に明確なものでした。これは私たち全員が同意できることであり、また同意すべきことだと思います。Xはまた、反ユダヤ主義や差別と闘う私たちの努力についても非常に明確にしてきました。世界のどこにも、反ユダヤ主義の居場所はありません。それは醜悪で間違っています」と述べて、Xの反差別の取り組みを強調しました。


広告主からの信頼回復に奔走するヤッカリーノCEOですが、イーロン・マスク氏の発言により後ろから撃たれる格好となっています。

マスク氏は、Xユーザーの「誰もが自分の人種を誇りに思うことが許されている一方、白人だけは例外なのは、私たちの歴史が他の人種に劣っていると洗脳されているからです」という投稿への返信で「ええ、これは本当にメチャクチャです。このナンセンスな話を終わらせ、このような嘘を広めている人に恥をかかせる時が来ました」と述べて、白人差別を主張するポストに同意を示しました。


マスク氏はまた、「インターネットの匿名性に隠れて『ヒトラーは正しかった』と投稿する卑怯者たちへ」という投稿に対して、「ユダヤ人コミュニティは、彼らが自分たちに対して使うのをやめてほしいと主張するまさに弁証法的なヘイトを白人に対して押し付けてきました」と反論する投稿に同調し、「あなたは本当の真実を言いました」と述べました。


マスク氏は続けて、「西側の大多数がユダヤ人とイスラエルを支持しているにもかかわらず、名誉毀損(きそん)防止同盟(ADL)は西側の大多数を不当に攻撃しています。これは、彼ら自身の教義によって、主要な脅威である少数グループを批判することができないからです。これは正しくないことであり、止める必要があります」とも述べて、ADLを名指しで非難しています。

マスク氏のこうした発言の背景には、Xでヘイトスピーチが増加していると繰り返し非難しているADLとの確執があるとされています。

イーロン・マスクが「Xの広告売上不振の原因はユダヤ人団体」だとして訴訟を起こすと脅迫 - GIGAZINE


ADLのジョナサン・グリーンブラットCEOはマスク氏の投稿に対し、「アメリカで反ユダヤ主義が爆発的に広がり、世界中で反ユダヤ主義が急増している今、自分の影響力を使って反ユダヤ主義的な理論を正当化し、宣伝することは紛れもなく危険です」と述べました。

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in ネットサービス, Posted by log1l_ks

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