あの「トップバリュのウイスキー」の味を高速熟成キット「#酒ハック」で変えてみたよレビュー、サクラやヒノキの木材を半日漬け込むとこうなる
ウイスキーは樽(たる)に使われる木材の種類によって味が変化しますが、自宅で木材を取りそろえて元のウイスキーからさらに味を変化させる追熟を行うことは困難です。しかし「酒ハックプロジェクト」が開発した酒熟成キット「#酒ハック」を使えばミズナラやサクラなどの木材をお酒に半日~24時間漬けるだけで味や香りを変化させられるとのことなので、実際にウイスキーに木材を投入してどれだけ味が変化するのか確かめてみました。
わずか半日でいつものお酒を風味豊かな樽熟成酒に。国産銘木使用の「#酒ハック」 - CAMPFIRE (キャンプファイヤー)
https://camp-fire.jp/projects/view/695851
・目次
◆1:「#酒ハック」の内容物はこんな感じ
◆2:「#酒ハック」を使う手順はこんな感じ
◆3:「#酒ハック」は「スナズ ウイスキー」の味をどう変化させるのか?
◆4:「#酒ハック」は「ブラックニッカ」の味をどう変化させるのか?
◆5:「#酒ハック」なら短時間でウイスキーの味や香りを変化させられる
◆6:「#酒ハック」はクラウドファンディング出資者募集中
◆1:「#酒ハック」の内容物はこんな感じ
「#酒ハック」は以下のような一目でわかる特徴的な段ボールに入って届きます。
開けてみると、7種の木材と白い箱がいくつも入っていました。
「#酒ハック」はボトルにお酒と木材を一緒に入れることで、お酒に木材の成分を行き渡らせる仕組みの追熟キットです。ボトルと木材の見た目はこんな感じ。
そのほか、取り扱い説明書類や、ボトルに木材を取り付ける際に必要なワイヤーが入っていました。
お酒に香りを付けるための7種類の国産木材「銘木」がこんな感じ。7種の木材には、本来高級家具にも使用されるような国産の良質な木材の間伐材や切れ端、余材が使われており、そのため「銘木」と呼んでいるそうです。今回使用する銘木は、左から「カエデ」「クリ」「ミズナラ」「ヒノキ」「スギ」「サクラ」「カバ」です。
銘木には「#酒ハック」のロゴや木の種類を表すイラストなどが入っています。また、下部にはボトルに取り付ける際に使うワイヤーを通すための穴が設けられています。
ボトルの見た目はこんな感じ。黒いソフトケースも付いています。
ボトルの高さは約25cmで、お酒が最大約600ml入ります。
◆2:「#酒ハック」を使う手順はこんな感じ
「#酒ハック」を使うとお酒の味がどう変化するのか確かめるべく、トップバリュの「スナズ ウイスキー」を用意して銘木をほぼ1日漬けてみることにします。
「#酒ハック」を使う手順は次の通り。まずは銘木を軽く水洗いします。
銘木をボトルに取り付けるために、ボトル底面の底ふたを取り外します。
さらに、底ふたから銘木固定用の金具を取外します。
続いて、銘木の下部に設けられた穴にワイヤーを通します。
銘木にワイヤーを通したら、ワイヤーの両端を金具の穴に差し込みます。金具には穴が4個設けられていますが、対角線上の2個を使えばOK。
差し込んだワイヤーの先端をねじって固定します。
これで、銘木が自立するようになりました。
後は、金具を底ふたにねじ込んでボトルに戻せば銘木の取付作業は完了です。
「カエデ」「クリ」「ミズナラ」「ヒノキ」「スギ」「サクラ」「カバ」の銘木をすべてボトルに取り付けました。
ボトルにスナズ ウイスキーを注いでいきます。
ボトルにお酒を注いだら準備完了。あとは放置するだけで熟成が進みます。今回は気温が27~29度ぐらいになる室内に放置しています。
以下の画像上のスライダーを左右に動かすと、熟成前(左)と熟成後(右)の変化を見比べられます。熟成後はウイスキーの色が濃くなりました。
酒ハックプロジェクトによると、熟成時間の目安は12時間~24時間とのこと。今回は23時間熟成しました。以下のタイムラプス映像を再生すると、ウイスキーの色が徐々に変わっていくのが見てわかります。
酒熟成キット「#酒ハック」を使ってトップバリュのスナズウイスキーを熟成してみた - YouTube
熟成後はキャップを開け、そのままグラスに注いで飲むことが可能です。
今回は撮影の都合上、別のボトルに中身を移し替えます。
◆3:「#酒ハック」で「スナズ ウイスキー」の味がどう変わるのか試飲してみた
「#酒ハック」による熟成の効果を確認するために「何も加えていないスナズ ウイスキー」と「サクラで熟成を行ったスナズ ウイスキー」を正体を伏せた状態で編集部員に飲ませるというブラインドテストを実施しました。テストの結果、編集部員からは「明確に香りが異なる」「口に入れた瞬間に、味の違いが分かる」という反応が得られました。複数人の編集部員による実験では全員が味の違いを認識できていたので、「#酒ハック」にはハッキリわかるほどの味変効果があるようです。
続いて、どの銘木を使って熟成したか分かる状態にして、編集部で試飲会を実施しました。
試飲会で出てきた感想は以下の通り。
■元のスナズ ウイスキー
・独特なツンとしたアルコール臭やシロップのような不自然な甘味がある
・クセが強いため好みが分かれる味
■サクラ
・スナズ ウイスキーのクセや嫌な甘みを消している
・「サクラの香り」はあまり感じられない
・スナズ ウイスキーのクセはそのままで木の香りがプラスされるため、スナズ ウイスキーとの相性はあまり芳しくない
■スギ
・芳香剤のようなスギの木の香りがグッと強まる
・スナズ ウイスキーの独特な味わいに木の香りがプラスされることで舌がざらつくような独特な風味に
・普段からウイスキーをあまり飲まない場合は、逆に風味に特徴があって独特な味わいを楽しむことができる
■カバ
・スナズ ウイスキーのツンとした香りが抑えられる
・割り箸みたいな木の香りが強く感じられる
・コーラと割ってコークハイにして飲むと、スナズ ウイスキー独特な風味が薄まりつつ木の香りが感じられて面白い
■ヒノキ
・まるでヒノキ風呂のような強いヒノキの香り
・スナズ ウイスキーの独特な風味を薄めつつ、爽やかな香りを楽しむことが可能
・コーラで割って飲むと、スナズ ウイスキーの不快な香りが消えてヒノキだけが残り、森の中で上質なコークハイを飲んでいる気分になる
・味の変化が7種の銘木の中で最も大きい
■クリ
・最も濃い色に変化した割には味の変化が小さい
・アルコールのツンとした香りをうまく抑えている
・クリの主張が強すぎることはなく、ほど良いバランスで熟成されている
■ミズナラ
・ウイスキーに木の香りがフワッとプラスされ、高級感が増した
・「上質なウイスキー」っぽくなっている。ミズナラはウイスキー樽の材料にも使われるので、まったく違和感がない
・スナズ ウイスキーの独特な風味が薄まり、ほど良い甘みが加わった
■カエデ
・カエデのメイプルシロップのような甘い香りがウイスキーにプラスされる
・元のスナズ ウイスキーから大きく味が変化するわけではない
・サクラを使って熟成したウイスキーに近く、クセや嫌な甘みを消すことができる
7種の銘木による変化を味わった結果、ミズナラは「上質な香りをスナズ ウイスキーに加え、味を確実に一段階上に引き上げてくれる」として全員から高く評価されました。一方で特徴の強いヒノキやスギなどの銘木で熟成したスナズ ウイスキーは賛否が分かれるという結果に。熟成後のウイスキーの味については銘木の違いで評価が分かれたものの、すべての銘木で味や香りに何らかの変化が現れたことが確認できました。
◆4:「#酒ハック」で「ブラックニッカ」の味がどう変わるのか試飲してみた
クセの強いスナズ ウイスキーと異なり、一般的なウイスキーを熟成させるとどう変化するのか気になったので、次は「ブラックニッカ クリア ブレンデッドウイスキー」を用意して味の変化を確かめてみることにしました。
スナズ ウイスキーと同様に、ボトルに新品の銘木とブラックニッカを加えます。
すべてのボトルにブラックニッカを注ぎ終えました。
熟成前(左)と熟成後(右)の比較が以下。
ブラックニッカに銘木を漬けてから24時間熟成します。熟成中の色の変化は、以下のタイムラプスムービーを再生すると確認できます。
酒熟成キット「#酒ハック」を使ってブラックニッカウイスキーを熟成してみた - YouTube
24時間熟成後に、編集部で試飲会を実施しました。
熟成ブラックニッカ試飲会で出た感想は以下の通り。
■何も加えていないブラックニッカ
・スナズ ウイスキーと異なり、独特のクセや甘みは少ない
・口の中でとろみを感じるまろやかな味わい
■サクラ
・大きな味の変化は感じられないものの、木の素朴な香りがうっすらと感じられる
・口に含んだ瞬間木の香りがフワッと広がる
・ブラックニッカ自体のクセが強くないため、木の香りがついたことが分かりやすく、味の変化を純粋に楽しむことができる
■スギ
・スギの香りがウイスキーの風味を上回っている印象
・サッパリとした風味を感じるものの、クセが強く、人を選ぶ味
・水や炭酸水で薄めるとウイスキーの香りはどんどん弱まるが、スギの香りはなぜか弱まらない。薄めのハイボールにしてもスギの香りを楽しめて面白い
■カバ
・アルコールのツンとした刺激を消して、お酒にまろやかさを加える
・水を含んだ木の香りを感じられ、独特な風味を味わえる
・割り箸をかんだかのような渋さを強く感じるので、かなり好き嫌いが分かれる味
■ヒノキ
・スナズ ウイスキーに漬けたときよりヒノキの香りが強まった印象
・ヒノキの香りが強く、若干えぐみを感じられる
・ウイスキーではクセが強いお酒になったが、日本酒や焼酎などで試してみるとおいしく味わえる可能性を感じる
■クリ
・ブラックニッカでも色が大きく変わる
・ブラックニッカの味わいに奥深さが加わった
・味の大きな変化は感じられない
・味はあまり変化していないけど、香りの複雑さが増している
■ミズナラ
・ウイスキーに木材の深みを加えることに成功している
・コークハイなど、味に変化を加えても破綻せずおいしく味わえる
・ミズナラの存在感が強いため、元のウイスキーを好む人からは敬遠されるかもしれない
■カエデ
・ブラックニッカにまろやかさや甘さをプラスしている
・メープルシロップのようなスイーツ感をわずかに感じる
・ブラックニッカを熟成すると飲みやすさが向上し、華やかな香りが引き立つ
・ミルクで割るとカエデの香りとミルクの甘さでメープルシロップのような雰囲気が出る
「#酒ハック」を用いてブラックニッカを熟成した結果、多くの編集部員から「クセの強くないブラックニッカでは、お酒に染み出した木の香りが分かりやすくなる」との意見が寄せられました。お酒の種類によって銘木との相性が変化するので、多様なお酒で「#酒ハック」による味の変化を試してみると楽しそうです。
◆5:「#酒ハック」なら短時間でウイスキーの味や香りを変化させられる
「#酒ハック」はわずか半日~1日漬け込むだけで手軽にお酒の味を変化させて楽しめる熟成キットでした。また、香料を加えたようなわざとらしい変化ではなく、木の香りが自然とお酒に加わり、7種類の味変を楽めるのもうれしいポイント。熟成させるお酒や銘木、時間によって味が大きく変化するので、自分好みの味を探して色んなお酒を熟成してみるのも楽しみ方の一つです。
◆6:「#酒ハック」はクラウドファンディング出資者募集中
「#酒ハック」はクラウドファンディングサイト「Makuake」で2000人以上のユーザーから合計2200万円以上の出資を集めることに成功しており、記事作成時点ではクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」にて2023年9月30日~11月5日までの期間限定でクラウドファンディングを実施しています。
出資価格とリターンの一覧は以下の通り。価格はすべて税込です。
ボトル1本 | ボトル2本 | ボトル3本 | ボトル5本 | ボトル7本 | 銘木の数 | |
超超早割 | 6800円 | 9129円 | 1万1469円 | 1万5759円 | 1万9788円 | 7種類の銘木がそれぞれ1本ずつ |
超早割 | 7800円 | 1万129円 | 1万2469円 | 1万6759円 | 2万788円 | |
早割 | 8800円 | 1万1129円 | 1万3469円 | 1万7759円 | 2万1788円 | |
CAMP限定割 | 9800円 | 1万2129円 | 1万4469円 | 1万8759円 | 2万2788円 |
CAMPFIREでは、銘木に焼きが入っていない「ホワイトモデル」のクラウドファンディングも行われています。出資価格とリターンは以下の通りです。
ボトル1本 | ボトル2本 | ボトル3本 | ボトル5本 | ボトル7本 | 銘木の数 | |
CAMP限定割 | 8800円 | 1万1129円 | 1万3469円 | 1万7759円 | 2万1788円 | 7種類の銘木がそれぞれ1本ずつ |
数量限定で最大42%オフの超超早割も設定されているので、気になる方は以下のリンク先をチェックしてみてください。
わずか半日でいつものお酒を風味豊かな樽熟成酒に。国産銘木使用の「#酒ハック」 - CAMPFIRE (キャンプファイヤー)
https://camp-fire.jp/projects/view/695851
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