トム・ハンクスが自分出演の歯科保険のCMを見て「これはAIだ」と指摘

俳優のトム・ハンクスが歯科保険を宣伝するCMが出回っていることを受け、ハンクス本人が「その動画はAI製なので注意して」と警告するメッセージを発信しました。

Tom Hanks Warns Fans About 'AI Version of Me' Promoting Dental Plan
https://variety.com/2023/film/news/tom-hanks-ai-video-dental-plan-warns-fans-1235741781/

Tom Hanks Warns Fans About Fake Video Promoting Dental Plan
https://ts2.space/en/tom-hanks-warns-fans-about-fake-video-promoting-dental-plan-2/

Instagramへの投稿で、ハンクスは「気をつけて！AIバージョンの私が歯科保険を宣伝するビデオが出回っています。私は無関係です」とのメッセージをフォロワーに伝えました。

ハンクスは、かつてAIが果たすであろう映画制作の未来について語ったことがあります。同氏は「私たちはAIによる映画制作の時代が訪れることを予見していました。AIやディープフェイク技術を使えば、今では誰もが何歳になっても自分を表現できます。明日バスにひかれて人生が終わるかもしれませんが、AIにより、私のパフォーマンスは延々と続く可能性があります」と述べ、AIの活用に興味を示していました。

一方で関連法の整備についても考えを示し、「今言えることは、私の顔や声、そして他の全員に及ぶ法的影響を考慮するため、すべての組織や法律事務所で議論が行われているということです」と述べています。

ロバート・ゼメキスが監督する2024年公開予定の映画「Here」では、ハンクスとロビン・ライトがAIの力で若返る予定。

有名人の顔を合成し、本人の許可なく製品のプロモーションに利用するという事案は近年相次いでいます。2022年には、俳優のトム・クルーズの顔を無断で利用したプロモーションビデオや、イーロン・マスクの顔を合成したビデオなどが相次いで投稿されました。

Elon Musk Held Hostage In Warehouse (Will He Comply?) - YouTube

AIを活用することで人間の能力が必要とされなくなるのではという懸念から、映画俳優組合とアメリカテレビ・ラジオ芸術家連盟(SAG-AFTRA)はストライキを起こし、賃上げや労働環境の改善を要求しています。

ハリウッドの俳優や脚本家が「仕事を奪うようなAIの規制」を求めてストライキを起こす - GIGAZINE