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イーロン・マスクのXがコンテンツモデレーションのやり方の公開を義務づける州法を巡りカリフォルニア州を提訴


イーロン・マスク氏の保有するX(旧Twitter)が、SNSのコンテンツモデレーションに関するカリフォルニア州法「AB 587」は言論の自由を侵害するものであるとして、訴訟を起こしました。

Elon Musk’s X is suing California over its online moderation reporting bill - The Verge
https://www.theverge.com/2023/9/9/23865828/elon-musk-x-corp-suing-california-ab-587-first-amendment-challenge-free-speech-twitter-social-media


X, formerly Twitter, challenges California’s new transparency law as unconstitutional | TechCrunch
https://techcrunch.com/2023/09/08/twitter-x-elon-musk-california-moderation-transparency-law-as-unconstitutional-ab-587/

AB 587は2022年9月に当時のカリフォルニア州知事であるギャビン・ニューサム氏により承認された法律で、ソーシャルメディア企業に対してヘイトスピーチ・人種差別・過激主義・偽情報・ハラスメント・外国からの政治的干渉に関連するモデレーション慣行を詳細に公表することを義務付けるものです。


AB 587について、ニューサム氏は「カリフォルニア州民はソーシャルメディアが我々の公の議論にどのような影響を与えているかを知る権利があり、この措置は我々が毎日消費するソーシャルメディアコンテンツを形作る政策に切望されている、透明性と説明責任をもたらします」と説明しました。

政府当局が民間プラットフォームのモデレーション慣行にどの程度緊密に関与すべきかについては、多くの議論があります。海外メディアのTechCrunchは「介入が過ぎれば中国のような検閲が発生してしまい、完全に介入しないというアプローチをとれば、これまで見てきたような虐待が横行することとなります」と説明しました。


このカリフォルニア州のAB 587に対して、イーロン・マスク氏が保有するXが訴訟を提起しました。Xの訴状では、「ヘイトスピーチや偽情報、政治的介入、その他のコンテンツカテゴリを確実に定義することは難しい」として、モデレーション慣行の公開は難しいと指摘されています。加えて、用語の意味について公共の場で受け入れられたコンセンサスがないため、「定義はしばしば政治的偏見を伴うことになる」とも言及。

さらに、XはAB 587について「ソーシャルメディア企業に対して、州政府側が『問題がある』と考える『憲法で保護された特定のコンテンツ』を削除させることを目的としている」と主張しています。

なお、今回の訴訟に対してAB 587の起草者であるカリフォルニア州議会議員のジェシー・ガブリエル氏は、AB 587について「企業がコンテンツをモデレートしているかどうか、またどのようにモデレートしているかについて率直に示すことを要求するだけの純粋な透明性措置です。特定のコンテンツモデレーションポリシーは決して必要ありません」と説明しました。さらに、ガブリエル氏は「Twitter(X)に隠すものが何もないのであれば、この法律に異論はないはずです」と付け加えています。

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in ネットサービス, Posted by logu_ii

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