「ダンジョンズ＆ドラゴンズ(D＆D)」開発元が「アーティストはAIを用いたD＆Dアートの作成を控えなければいけない」と呼びかけ

一人のアーティストがAIを使用して画像を生成したことをきっかけに、テーブルトークRPG「ダンジョンズ＆ドラゴンズ」の開発チームがアーティストのためのガイドラインを見直すことを明らかにしました。

Dungeons & Dragons tells illustrators to stop using AI to generate artwork | AP News
https://apnews.com/article/dungeons-dragons-ai-artificial-intelligence-dnd-wizards-of-coast-hasbro-b852a2b4bcadcf52ea80275fb7a6d3b1

ダンジョンズ＆ドラゴンズのオンラインデジタルツール「D&D Beyond」の公式Xアカウントが2023年8月6日に明らかにしたところによると、2014年からダンジョンズ＆ドラゴンズチームと一緒に仕事をしているアーティストが、近日発売予定の書籍「Bigby Presents: Glory of the Giants」のアートワークにAIを使用していたことが判明したとのこと。

チームは「このアーティストは私たちが愛する書籍に何年もかけて作品を提供してきました。彼が制作過程でAIを使用すると決めたことは知りませんでしたが、私たちは彼と話し合い、今後作品にAIを使用しないということで同意しました」と発表。これに伴い、ダンジョンズ＆ドラゴンズのアーティストガイドラインを更新し、アーティストがアート作成プロセスにAIを使用することを控えるべきであるとの方針を明確化しました。

問題のアートが含まれる書籍は、2023年8月15日に発売される予定です。

クリエイティブな作業を支援するAIツールの使用は、多くの業界で著作権や雇用問題に関する懸念を引き起こしており、ハリウッドのストライキに拍車をかけたり、音楽業界のレコーディング・アカデミーがグラミー賞の規約を改定する原因となったり、一部のアーティストがAI企業に公開書簡を送付したりする事態に至っています。

8500人超の作家が「AIのトレーニングに人間の作品を無断使用するな」とOpenAIやMetaなどのAI開発企業に求める公開書簡に署名 - GIGAZINE