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Google純正スマートウォッチの次世代モデル「Pixel Watch 2」は新型チップ搭載でバッテリー寿命が劇的に改善される可能性


2022年にGoogleがリリースした「Pixel Watch」の次世代モデルとなる「Pixel Watch 2」について、Android関連メディアのAndroid Authorityが独占的に入手したアップデート情報を報じています。

Google Pixel Watch 2 specs leaked: UWB, new chipset, and more
https://www.androidauthority.com/pixel-watch-2-specs-3352481/


The Pixel Watch 2 may get multi-day battery life and a UWB chip - The Verge
https://www.theverge.com/2023/8/5/23821335/google-pixel-watch-2-rumor-better-battery-life-snapdragon-w5-uwb-android

Android AuthorityがGoogle内部の関係者から入手した情報によると、Pixel WatchではSamsung製のウェアラブルデバイス向けSoCであるExynos 9110を採用していましたが、次世代モデルのPixel Watch 2ではQualcommのウェアラブルデバイス向けチップであるSnapdragon W5 Gen 1を採用することになるとのこと。

Exynos 9110は動作周波数が1.15GHzのコア(Arm Cortex-A53)を2つ搭載していますが、Snapdragon W5 Gen 1は動作周波数1.7GHzのコアを4つ搭載しています。さらに、GPUコアのAdreno 702も搭載しているため、グラフィックパフォーマンスが劇的に向上する可能性がある模様。


最大の改善点はチップの電力効率にあるとAndroid Authorityは主張しており、実際、初代Pixel Watchに搭載されているExynos 9110は2018年に発表されたチップで、プロセスルールも2017年にリリースされた10nmプロセスを採用しています。そのため、「SamsungがSoCに組み込んだ時代遅れの製造技術と古いコンポーネント設計の両方の影響で、チップ全体が電力効率の悪いものとなってしまっていました」とAndroid Authorityは指摘。

一方で、Snapdragon W5 Gen 1は2021年から2022年にリリースされたスマートウォッチに搭載されている比較的新しいSoCで、プロセスルールはSamsungの4nmプロセスを採用しているため、古いチップと比べて電力効率は格段に向上しています。また、Snapdragon W5 Gen 1は低電力状態をサポートするための新技術も採用しているため、Pixel Watch 2ではバッテリー寿命が劇的に改善されることが期待されているそうです。

Qualcommのウェアラブルデバイス向けチップにはSnapdragon W5+ Gen 1もありますが、これとSnapdragon W5 Gen 1の唯一の違いは「Qualcomm製のコプロセッサーQCC5100の有無」のみだそうです。なお、Googleはこのチップの代わりに、初代Pixel Watchに搭載されているのと同じNXPチップをベースとしたカスタムコプロセッサーを採用すると情報筋は語っています。


Pixel Watch 2で最も重要なアップグレードのひとつがウルトラワイドバンド(UWB)の採用だそうです。Pixel Watch 2にはNXP SR100T UWBモジュールが搭載され、これによりFind My Deviceの精度が向上すると期待されています。

また、自動車のカギをスマートウォッチで開けるといった技術にも、UWBチップは役立ちます。この種の技術はすでにBMWにサポートされており、GM、ホンダ、フォルクスワーゲン、現代自動車といった自動車メーカーも実装に向けて開発を進めているそうです。なお、UWBチップは一部のAndroidスマートフォンに搭載されていますが、すべてのAndroidデバイスで採用されているというわけではありません。しかし、Pixel Watch 2がUWBチップを搭載することになれば、スマートフォン側がUWBチップを搭載していなくても自動車のロックを解除することが可能となります。

この他、UWBチップにより、Pixel Watch 2で再生しているメディアをPixel Tabletなどの他のUWB対応端末にシームレスに転送できるようになる可能性があるとAndroid Authorityは指摘しています。

以下のようなメディア転送がPixel Watch 2でも可能になるというわけ。

スマートフォンで再生中のムービーを「Google Pixel Tablet」に送信して視聴する様子 - YouTube


この他、Pixel Watch 2ではバッテリー容量が大きくなり、初代Pixel Watchの294mAhから306mAhに増量される模様。バッテリー容量の増加は非常に少ないですが、前述の通りチップの改善によりバッテリー寿命は大きく改善されることが期待されています。

また、ディスプレイの基本仕様は初代モデルと同じ解像度が384×384ピクセル、サイズは1.2インチの円形OLEDのままですが、中国メーカーのBOE製のものから、Samsung製のものに変更されることになる模様。Android Authorityに情報提供した人物によると、ディスプレイにおいてはこれ以上の変更点を確認できなかったそうですが、メーカーが変わったことでディスプレイの輝度や省エネ性能が向上する可能性があるとAndroid Authorityは指摘しています。

さらに、Pixel Watch 2ではAndroid 13ベースのWear OS 4が搭載されることとなります。これにより、古いバージョンのWear OSを利用している端末は、バックグラウンドでOSのアップグレードが可能となるそうです。ただし、Wear OS 4では必要となるストレージ容量がほぼ2倍となるため、ローエンドのスマートウォッチでは実行不可能になるという欠点が挙げられています。

Apple Watch対抗「Wear OS 4」2023年中にリリースへ、Googleは既にAndroid開発者向けプレビュー版公開済みで自由にウォッチフェイスを作れる「ウォッチフェイスフォーマット」も - GIGAZINE


Pixel Watch 2は2つの異なるコードネームで開発が進められており、このうちLTE対応版が「Eos」、Wi-Fi版が「Aurora」と呼ばれています。また、Pixel Watch 2にはG4TSL、GC3G8、GD2WGという3つのモデル番号が用意されていますが、これは一部の地域で利用可能なモデルを用意するためのものであり、「GoogleはPixel Watch 2をインド市場に投入する準備を進めている可能性があります」とAndroid Authorityは報じています。

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in ハードウェア,   動画, Posted by logu_ii

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