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人間がどれほど複雑な生物機械なのかがよくわかるアニメーション


人間の体はおよそ60兆個の細胞で構成されているといわれています。細胞がどのようにして機能し、どうやって生命活動を行っているのかの基本的な知識について、科学を解説するアニメーションを公開するYouTubeチャンネル・Kurzgesagtが解説しています。

You Are an Impossible Machine - YouTube


細胞はいわば何十兆粒もの砂で埋め尽くされた部屋に、スイカやブドウなどの果物が何万個も浮いているような構図になっています。


もちろん砂や果物はあくまでも例えで、本物の細胞は水や目に見えないほど小さなタンパク質や糖の分子で構成されています。


細胞を構成するほとんどがタンパク質。人体においてタンパク質こそが生命活動の基本となっているのです。


タンパク質はアミノ酸と呼ばれる物質がつながってできています。アミノ酸とはカルボキシ基(-COOH)とアミノ基(-NH2)を持つ有機化合物の総称で、その中の一部がタンパク質の材料となります。


特にタンパク質の材料となるアミノ酸はα-アミノ酸と呼ばれ、21種類存在します。


アミノ酸のカルボキシ基とアミノ基が脱水結合(ペプチド結合)することで、まるでアミノ酸でできたヒモのようにつながっていきます。


生命活動において、アミノ酸はアルファベットで、タンパク質は単語のようなものだといえます。


そして、複数のタンパク質によって1つの生命活動が実行されます。この複数のタンパク質の連鎖によって実行される生命活動は「パスウェイ」と呼ばれ、いわば文章にあたります。


人間の場合、1つのまとまった文を構成する単語数が8000語として、タンパク質による生命言語は2万語ほどに相当します。


英語の場合は1単語が平均約5文字ですが、タンパク質の場合はおよそ375分子ものアミノ酸で構成されています。


そんなタンパク質の設計図は、人間の細胞にあるデオキシリボ核酸(DNA)に書き込まれています。1つの細胞に含まれるDNAをすべて伸ばすとなんと全長約2m。


人体1つに含まれるDNAすべてをつなげると、地球と太陽の間の距離約1億5000万kmの20倍に相当するそうです。


DNAはヌクレオチドと呼ばれる物質がつながったヒモが2重らせんを描いている構造になっています。ヌクレオチドにはアデニン・グアニン・シトシン・チミンの4種類があり、このヌクレオチドの並び方がタンパク質の設計図となっています。


大まかな流れとしては、DNAからリボ核酸(RNA)に転写が行われ、伝令RNA(mRNA)が合成されます。そのmRNAから不要な情報を切り取ったものを、リボソームと呼ばれる器官が読み取り、転移RNA(tRNA)によってヌクレオチドの配列に対応したアミノ酸が運ばれ、タンパク質が作られるという仕組みです。これは生命にとって最も重要な基幹システムであり、「セントラルドグマ」と呼ばれています。


アミノ酸が文字、タンパク質が言語、パスウェイが文章とするならば、DNAは文法であり、細胞が話者にあたります。


セントラルドグマによってつなげられたアミノ酸は折り畳まれるようにして立体構造を獲得します。


タンパク質が生命活動において重要なのが、この立体構造。例えば複数のタンパク質があり、立体構造が対応している場合があります。


これが物理的にかみ合うことで、新たな機能を得ることがあります。


また、タンパク質の設計図であるDNAは、ヒストンと呼ばれるタンパク質を折り畳んで巻き付ける構造をもっています。


ヒストンのおかげでDNAは小さく折り畳まれ、染色体と呼ばれる生体物質単位になります。


細胞には、この染色体が複数含まれています。人間の場合は、通常46本の染色体が細胞核内に存在します。


そして、細胞は役割に応じて分化し、集まって組織を形成します。


さらに組織が集合し、我々の体が存在するのです。


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in サイエンス,   動画,   アニメ, Posted by log1i_yk

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