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TikTokが「子どもを薬物とアダルトコンテンツにさらした」と提訴される、中国政府へのデータ漏えい懸念で使用禁止の動きも


TikTokが、子どもの安全と個人情報の取り扱いについてユーザーに誤解を与えたとして、インディアナ州から提訴されていたことが分かりました。アメリカでは、TikTokを運営する中国企業のByteDanceが中国政府にデータを流出させるおそれがあるとの懸念が広がっており、インディアナ州だけでなくテキサス州やメリーランド州など各地でTikTokを禁止したり排除したりする動きが強まっています。

Indiana Sues TikTok for Security and Child Safety Violations - The New York Times
https://www.nytimes.com/2022/12/07/technology/tiktok-lawsuit.html

GOP-led states ban TikTok on government devices
https://www.axios.com/2022/12/07/tiktok-national-security-republican-governors

インディアナ州のトッド・ロキータ司法長官は2022年12月7日に、TikTokを相手に2件の訴訟を起こしたと発表しました。2件の内1件は子どもの安全に関するものです。TikTokには、青少年に不適切なコンテンツの表示を制限することができる「使用制限モード」がありますが、このモードでも子どもに露骨な性的なコンテンツや薬物関連のコンテンツが表示されてしまうケースがあるとのこと。

このことからロキータ司法長官は訴状の中で、「TikTokは子どもたちを不適切な性的コンテンツやアルコール・ドラッグ関連のコンテンツにさらす『トロイの木馬』です」と非難しました。


また、2件目の訴訟ではTikTokを手がけるByteDanceが中国政府にユーザーデータを引き渡す危険性が焦点となっています。TikTokの周受資CEOは、こうした批判をかわすため、アメリカのユーザーのデータはアメリカの企業が管理するサーバーでホスティングされ、中国政府がそれにアクセスしようとすることはないと述べたことがあります。しかし、中国の法律では政府がアメリカの関連企業に対してデータを要求することもできるようになっているため、このような対策では意味がないとロキータ司法長官は指摘しました。

その上で、ロキータ司法長官は12月7日の声明の中で「これら2つの訴訟により、私たちはTikTokに対してインディアナ州の法律に背く虚偽と詐欺、そして誤解を招く行為をやめさせたいと考えています」と述べました。

TikTokのデータが中国政府に漏れることを懸念しているのは、インディアナ州だけではありません。テキサス州のグレッグ・アボット知事は7日に、中国共産党がアメリカの重要な情報やインフラにアクセスする危険性が増大し続けていることを理由に、テキサス州の全ての政府機関に対して、TikTokの使用を禁止すると命じました。


伝えられるところによると、アメリカでは11月末から12上旬にかけての約1週間だけでサウスダコタ州サウスカロライナ州メリーランド州が相次いでTikTokの禁止を打ち出しているとのこと。また、ネブラスカ州では2020年から、政府の端末でTikTokを使うことが禁止されています。

サウスダコタ州のクリスティ・ノーム知事は発表の中で、「サウスダコタは我々を憎む国の情報収集作戦には一切関与しません」と述べました。

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in ソフトウェア, Posted by log1l_ks

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