厳しい生存戦争を繰り広げるアリのコロニーをブラウザで眺められるシミュレーター「Ants Sandbox」
アリは女王アリと働きアリと兵隊アリが役割分担をしながら大きな群れを作る社会性昆虫として知られています。アリが巣を作り、餌場までの経路を形成する挙動は「アリコロニー最適化問題」として、グラフ理論を応用したアルゴリズムの計算問題になっています。そんなアリコロニー最適化を実際にシミュレートしてながめることができる「Ants Sandbox」が登場しました。
Ants Sandbox
https://www.ants-sandbox.io/
Ants Sandboxにアクセスすると、自動で生成されたマップが表示されます。「Tour」を見れば、アリコロニー最適化についての細かい説明を受けることができますが、今回は「Skip Tour」をクリックしてスキップしました。
マップはマウスのホイールでズームイン・ズームアウトが可能で、ドラッグすることで視点を動かすことができます。
赤や黄色などの色がついた丸は、アリの巣を表わしています。よく見ると、同色の小さな点がゾロゾロと列を成して動いていますが、これがアリを意味しています。そして、緑色の塊がアリの餌です。このマップは灰色の岩によって迷路のように入り組んだ地形となっており、岩の隙間を縫うようにアリが形成した経路は薄い色で刻まれています。
例えば以下の場所では、赤のアリコロニーと青のアリコロニーが比較的近いところにあります。そして、上部左に大きな餌場が存在しています。
もちろん赤のアリも青のアリもこの大きな餌場を狙うため、途中で経路がバッティングしてしまいます。この場合、赤のアリと青のアリが戦いを始めてしまいます。バッティング地点を拡大してみると、赤のアリと青のアリが戦ってその場に散った姿が確認できます。
左メニューの「Colonies」をクリックすると、各コロニーのアリの数をチェックすることができます。
また、残りの食べ物の量やアリの総数や内訳を見ることができます。
さらに、アリの動きについて、Aggressiveness(積極性)・Mean ant energy(アリの平均体力)・Freedom(アリの自由度)を設定することができます。
「Charts」ではさまざまなデータをグラフ化してくれるので、推移が一目でわかります。
また、左メニュー「New」をクリックし、条件を設定して「New garden」をクリックすれば、新しいマップを作ることができます。サイズやコロニーの数、地形を変更すると経路も変わるので、アリが少しずつ経路を作りながら、コロニー同士で群れの生存をかけて戦い合う様子をじっくりながめることができます。
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