「鼻水・鼻くそ」への正しい対応法を科学者が回答
「誰も見ていないときについつい鼻をほじってしまう」というのは、病気でもなんでもなくほとんどの人に見られる「癖」で、人間だけではなく猿もやることが知られています。そもそも、鼻に指を突っ込んでまで取りたくなる「鼻くそ」とは何なのか、どのように対応するのが正しいのか、環境汚染物質を調べてきた科学者ら3人が答えを示しています。
When you pick your nose, you're jamming germs and contaminants up there too. 3 scientists on how to deal with your boogers
https://theconversation.com/when-you-pick-your-nose-youre-jamming-germs-and-contaminants-up-there-too-3-scientists-on-how-to-deal-with-your-boogers-185052
この問題に取り組んだのはオーストラリア・マッコーリー大学の環境科学者でビクトリア州環境保護局の主任科学者でもあるマーク・パトリック・テイラー名誉教授、インディアナ大学環境レジリエンス研究所代表で地球科学者のガブリエル・フィリペリ教授、マッコーリー大学の分子進化学者マイケル・ギリングス教授です。
鼻の穴の中には杯のような形をした「杯細胞」が存在して粘液を生成しています。粘液は、ウイルスやバクテリア、鉛、アスベスト、花粉などの有害物質を含むほこりの気道への侵入を防ぐ生物学的フィルターの役割を果たします。
こうして、捕らえたほこりなどと粘液が混ざり合ったものが「鼻水」です。鼻水は、鼻をかむことやくしゃみで外に排出されたり、鼻の奥の方に運ばれてのどからたんとして吐き出されたり、あるいは喉の奥に落ちて胃へ流れていきます。しかし、すべてが流れるわけではなく鼻の中に残る鼻水もあり、乾いて固まると「鼻くそ」になります。
通常、鼻水が体内に取り込まれても大きな問題にはなりませんが、たとえば、ほこりや庭の土壌に鉛が含まれていて、それが鼻水経由で体内に取り込まれてしまうこともあります。子どもは時に鼻くそを食べてしまうことがありますが、鉛などの有害物質が含まれることがあるため、やめておいた方が無難です。
また、鼻の穴の中には、軽度から重度までさまざまな感染症を引き起こすことで知られる黄色ブドウ球菌がいることがあります。また、鼻をほじることが、肺炎球菌感染の原因になり得ることも指摘されています。テイラー氏らは、鼻ほじりを「細菌を体にさらに押し込んだり、自分の周りの環境に拡散する素晴らしい方法」と皮肉たっぷりに表現し、鼻を指でほじらないよう忠告しています。
「では、どのような方法なら鼻をほじってセーフなのか」についての答えは、「そもそも、鼻はほじるべきではない」ということになります。
テイラー氏らは「鼻の驚くべき生物学的適応と、あなたを守ろうとするたゆまぬ努力を忘れないで下さい。あなたを健康に保つために残業している鼻に、汚れた指を突っ込んで邪魔しないで下さい」と鼻の働きを称賛し、「ティッシュペーパーで鼻をかんで、使ったティッシュは捨てて、その後、手を洗って下さい」と述べました。
なお、たまに使用済みのティッシュペーパーを再利用しようとする人がいますが、これは「最悪の選択肢」だとのこと。粘液が完全に乾くまでは、感染性ウイルスが手や指に残る可能性があるため、鼻をかんだり、あるいは鼻をほじったりしたあとは、手を念入りに洗うべきだとのことです。
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