食事に塩を加える頻度が高いと寿命が縮むという研究結果


塩分を過剰に摂取することはあまり健康的ではないことはわかっていますが、加工食品はいずれも高濃度の塩分を含むことから、具体的にどれぐらいの塩分が健康を害するのかを測定するのは困難です。ルイジアナ州ニューオーリンズにあるテュレーン大学のLu Qi教授が率いた研究チームは、「食事の際にどれぐらい塩を追加でかけるか」を、その人がどれぐらい塩味を好むかの指標として注目して調査を行いました。

Adding salt to foods and hazard of premature mortality | European Heart Journal | Oxford Academic
https://doi.org/10.1093/eurheartj/ehac208


Adding salt to food at table can cut years off your life, study finds | Health | The Guardian
https://www.theguardian.com/society/2022/jul/11/adding-salt-table-food-linked-earlier-death-study

この研究はEuropean Heart Journalに掲載されたものです。

研究チームは、「調理時を除いて、食事のときどれぐらい塩を振るか」の回答をUKバイオバンク参加者50万1379名から取得し、食塩添加の頻度と、早期死亡率・平均余命の関連性を調べました。


その結果、食塩添加の頻度が高いほどスポット尿中ナトリウム濃度または24時間尿ナトリウム排泄量が高いという関係が示され、早死にするリスクが28%高くなり、平均余命は男性で2年以上、女性で1年以上短くなることがわかりました。

調査対象となった欧米の人々のナトリウム摂取量は、約70%が加工食品や調理済み食品からのもので、8~20%が食卓で添加するものです。加工食品の多くは高濃度の塩分を含んでおり、尿検査による直接測定では必ずしも全体的な摂取量を示すデータが得られないため、正確に追跡することが困難ですが、研究チームは、その人が塩味の食品を好むかどうかの指標として「食塩の添加」に重点を置き、分析を行ったとのこと。

調べの結果を受けて、研究を率いたLu Qi教授は、塩分摂取以外の要因を明確に排除することはできなかったものの、人々が食事に追加の塩をかけることについて考慮するだけの十分な説得力のある証拠になるとコメント。「食事にかける塩を少なくするか、あるいはゼロにしてナトリウム摂取量を減らすのは、相当な健康上の利益をもたらすと考えられます」と述べました。


なお、研究に参加していないヨーテボリ大学のアニカ・ローゼングレン教授によれば、塩を食事から完全に取り除くことはできないが「最適量」は存在し、これまでの塩に関するエビデンスから、通常量の食塩を摂取している健康な人なら塩分摂取量を気にする必要はなく、果物や野菜を多く取り入れた食事にすることで塩分摂取量のバランス調整をするほうがよいとのこと。

また、心臓病のリスクが高い人は塩分を控えた方がよく、「調理済み食品に余計な塩を加えない」のはその方法の1つだとアドバイスしています。

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in , Posted by logc_nt

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