インスリンの高騰を受けてカリフォルニア州が「手軽なインスリンを独自に製造する」と表明
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アメリカでは糖尿病患者向けの注射薬として提供されるインスリンが非常に高価となっています。カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事が、1億ドル(約130億円)の予算を投入し、このインスリンをカリフォルニア州で独自に製造することにしたと発表しました。
California is going to make its own insulin.
— Gavin Newsom (@GavinNewsom) July 7, 2022
It’s simple. People should not go into debt to get life-saving medication. pic.twitter.com/yB4mpGjtQO
California will start making its own affordable insulin, Governor Gavin Newsom says - The Verge
https://www.theverge.com/2022/7/8/23200404/california-insulin-drug-prices-governor-newsom
アメリカでは「製薬会社の特許による供給数の制限」「競合製品の排除」「不透明な価格設定」が原因で、糖尿病患者にとって必要な注射薬であるインスリンが非常に高価となっています。
インスリン市場がアメリカで地獄と化している理由は製薬会社や規制当局の癒着 - GIGAZINE
![](https://i.gzn.jp/img/2019/07/09/insulin-unaffordable-in-usa/00.jpg)
by FatCatAnna
ニューサム知事は「インスリンのコストほど市場の失敗を象徴するものはありません」と述べ、糖尿病患者がインスリンのために毎月300ドル(約3万9000円)~500ドル(約6万5000円)も支払う必要があると指摘しました。
カリフォルニア州は2020年から、インスリンを含むさまざまな薬のジェネリック医薬品をメーカーと提携して製造、あるいは独自に製造ルートを構築し、カリフォルニア州民に安価で販売するプログラムを計画していました。新型コロナウイルスの対応もあり、この計画は遅々として進んでいませんでしたが、今回知事が発表したインスリンの独自製造計画は、プログラムを改めて前に進めるきっかけになるかもしれないと、IT系ニュースサイトのThe Vergeは述べています。
インスリンの高騰に対抗しようと試みているのはカリフォルニア州だけではなく、コロラド州ではインスリンの価格上限を100ドル(約1万3000円)に設定するなど、他の州もインスリンに価格上限を設定して高騰を防ごうとしています。
また、非営利団体のCivia Rxは1瓶30ドル(約3900円)以下でインスロインを販売する計画に取り組んでいると発表しており、アメリカ食品医薬品局からの承認が得られれば、早くて2024年に提供を開始できるとしています。
ニューサム知事は、カリフォリニア州産のインスリンがいつから利用開始になるのか、どれくらいの価格になるのかは明らかにしていませんが、Twitterで「カリフォルニア州産のインスリンを使えば、そのコストは最低でも半分に抑えられます」とコメントしています。
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in メモ, Posted by log1i_yk
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