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YouTubeがホラームービーに「子ども向け」フラグを付与、しかも変更不可


YouTubeのアルゴリズムがクリエイターの意図に反してホラームービーに「子ども向け」のフラグを付け、クリエイターが設定を変更することを許していない状態であると、IT系ニュースサイトのArs Technicaが報じています。

YouTube flags horror video as “for kids,” won’t let creator change rating | Ars Technica
https://arstechnica.com/gadgets/2022/07/youtube-flags-horror-video-as-for-kids-wont-let-creator-change-rating/

YouTubeはアメリカ連邦取引委員会(FTC)との合意に基づき、クリエイターに動画が子ども向けであるかどうかを申告することを義務づけています。さらにYouTubeは機械学習システムを用いて子ども向けコンテンツの検出を行い、クリエイターの代わりに動画を「子ども向け」として設定することがあるとのこと。なお「子ども向け」とされる動画の例として、「子どもが動画の主な視聴者である」「子どもが主な視聴者ではないものの、子どもを視聴者として想定した俳優、キャラクター、アクティビティ、ゲーム、曲、物語、テーマが動画に含まれているため、子どもを対象としている」などがYouTubeにより示されています。子ども向けに設定された動画は、子どもを保護する観点からコメント欄が閉鎖されるなどの制約を受けます。

しかし2022年7月5日、YouTubeでホラームービーを何本か投稿していたクリエイターのクリス・ストラウブ氏が「子どもには不適切であると設定した動画が子ども向けのフラグを付けられた」と主張しました。ストラウブ氏が作成したホラームービーシリーズ「Local58TV」は2017年から2021年にかけて9本の動画が投稿されており、合計2000万回近く再生されています。しかし、いくつかの動画には不気味な表現や殺害を示唆するメッセージなどが含まれているため、「明らかに子ども向けのシリーズではない」とArs Technicaは述べています。


YouTubeが「子ども向け」のフラグを立てたのは、「Show For Children」と題された3分11秒の動画です。内容は、墓場をさまようガイコツが掘り起こされた墓穴に遭遇するたびに中をのぞき、中にあるものに驚くというもの。コミカルなタッチで描かれているため確かに子ども向けと考えられなくもありませんが、ストラウブ氏はこの動画を「子ども向け」に設定などしていないどころか、さらに厳しく「18歳以上限定」としていたとのこと。

LOCAL58TV - Show For Children - YouTube


ストラウブ氏はこの動画が子ども向けのフラグを付けられた後に設定の変更を試みたものの、YouTubeによって変更を制限されてしまっているとのこと。再度18歳以上限定と設定することもかなわないそうで、ストラウブ氏はYouTubeに異議申し立てを行っています。

Ars Technicaは「YouTubeはクリエイターが動画をアップロードするたびに動画が子どもけかどうかを尋ねています。YouTubeがなぜ自動的に動画を分類しようとするのか、特に『成人向け』と明示的に設定された動画になぜ変更を加えようとするのか、その理由は明らかではありません。あるコンテンツが子どもに見せるべきかどうかというようなデリケートで主観的なものについては、Googleは慎重になるべきと思われます」と述べました。

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in ネットサービス, Posted by log1p_kr

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