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俳優ジョニー・デップと元妻アンバー・ハードがお互いを名誉毀損で訴えていた裁判はデップが「法的に勝利」

by Rafael Torres

「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのジャック・スパロウ役や「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」のゲラート・グリンデルバルド役などで知られる俳優のジョニー・デップ氏と元妻アンバー・ハード氏が、それぞれを名誉毀損(きそん)で訴えていた裁判で、裁判所が双方の訴えを認めて損害賠償の支払いを命じました。

内容はデップ氏がハード氏に200万ドル(約2億6000万円)を支払う一方、ハード氏はデップ氏に1000万ドル(約13億円)を支払うというもので、デップ氏が「法的に勝利した」と報じられています。


判決を受けて、デップ氏とハード氏はそれぞれ声明を発表しています。

Legal victory for Johnny Depp after he and Amber Heard found liable for defamation - CNN
https://edition.cnn.com/2022/06/01/entertainment/johnny-depp-amber-heard-verdict/index.html


Depp-Heard trial verdict: jury rules in favor of Johnny Depp | Johnny Depp | The Guardian
https://www.theguardian.com/film/2022/jun/01/johnny-depp-amber-heard-verdict-trial-ruling

Read Johnny Depp and Amber Heard's full statements on verdicts - CNN
https://edition.cnn.com/2022/06/01/entertainment/depp-heard-trial-verdict-reaction/index.html

デップ氏とハード氏は2012年ごろから交際し、一度別れたものの2014年に婚約、2015年に結婚しました。しかし、ハード氏が「デップ氏から家庭内暴力(DV)を受けている」と訴えて2016年5月に離婚を申請。2016年8月、DVに関する訴えについてハード氏に700万ドル(約7億円)が支払われることで和解が成立し、離婚も合意に至りました。

しかし、ハード氏が2018年にデップ氏を「DVを象徴する人物」と表現したことに対して、デップ氏が名誉毀損であるとして5000万ドル(約65億円)の損害賠償を求める訴えを起こし、一方のハード氏も、デップ氏の代理人弁護士が「ハード氏が主張したDV疑惑はでっちあげ」と発言したことを名誉毀損であるとして1億ドル(約130億円)の損害賠償を求めて反訴しました。

バージニア州裁判所の陪審は、デップ氏による主張を認め、ハード氏に1500万ドル(約20億円)の支払いを命じました。ただし、バージニア州には懲罰的損害賠償の制限があり、裁判官はのちに金額を1035万ドル(約13億円)に減額しています。他方、ハード氏の主張も認められ、デップ氏に200万ドルの支払いが命じられました。

この判決を受けて、デップ氏は以下のような声明を発表しています。

「6年前、私の人生、私の子どもたちの人生、私と近しい人々の人生、そして長年にわたり私を支え信じてくれた人々の人生は永遠に変わりました。
すべては一瞬のうちでした。
虚偽の、とても深刻で犯罪的な疑惑がメディアを通じて私にかけられたことを引き金として、私に対する憎しみに満ちた書き込みが終わりなく続きましたが、告発されることはありませんでした。それはわずかナノ秒のあいだに世界を2周し、私の人生とキャリアに極めて大きな衝撃を与えました。
それから6年後、陪審員は私の人生を取り戻してくれました。とても恐縮に思います。
この事件を追及するという私の決断は、直面するであろう法的ハードルの高さ、私の人生が世界的に注目されることが避けられないという点を承知した上で、深く考えた上でのものでした。
当初から、この裁判を起こした目的は、結果には関係なく、真実を明らかにするということでした。真実を語ることが、子どもたちや支えてくれているすべての人のためにすべきことでした。やっとそれができたかと思うと、心が安らぎます。
私は、世界中からあふれ出る愛ととてつもない助けと優しさに圧倒されましたし、圧倒され続けています。私が真実を伝えようとしたことが同じ境遇にある人たちの助けとなり、彼らを支持する人たちが決して諦めないことを願っています。そして、有罪と確定するまでは、裁判所でもメディアでも無罪の立場に戻れることを願っています。
ここにたどり着くまでに自らの時間を犠牲にしてきた裁判官、陪審員、裁判所職員、保安官の方々の高潔な仕事と、私が真実を伝えるために並外れた仕事をしてくれた誠実で揺るぎない弁護団に感謝します。
これからが本番です、いよいよ新しい章がようやく始まったのです。
『Veritas numquam perit』(ラテン語で「真理は決して滅びない」の意)
真実は決して滅びません」

一方で、ハード氏も声明を発表しています。

「今日感じた失望は言葉では言い表せません。元夫の持つ不相応な権力、影響力、支配力に対抗するのに、この山のような証拠でも足りなかったということに、心を痛めています。
この判決が他の女性にとってどんな意味を持つのかと、私はさらに失望しています。これは後退です。声を上げた女性が公然と恥をかかされ、辱められる可能性のあった時代に逆戻りするのです。女性に対する暴力を深刻に受け止めるべきだという考えを後退させるものです。
ジョニーの弁護団は、陪審員に言論の自由という重大な問題を見落とさせ、私たちがイギリスで勝利した決定的な証拠を無視させることに成功したと思います。
この裁判に負けたことは悲しいです。しかし、アメリカ人として持っていたはずの『自由に公然と発言する権利』を失ってしまったようで、もっと悲しいです」

ハード氏が言及している「イギリスでの勝利」とは、2020年にデップ氏がタブロイド紙との間で行った裁判のこと。この裁判は判事が「デップ氏によるDVはおおむね事実」と認定してデップ氏が敗訴し、映画「ファンタスティック・ビースト」シリーズからの降板につながっています。

なお、ハード氏の広報を担当するデビッド・シェーン氏によれば、ハード氏は上訴する予定だとのことです。

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in メモ, Posted by logc_nt

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