考えることは重要だが「考えすぎる」ことは問題

計画を立てたりプランを修正したり、結果を分析して反省したりといった考えるプロセスは、日常でもビジネスシーンでも重要です。しかし、「考えすぎる」ことは逆にさまざまな問題が生じると、メンタルヘルスカウンセラーのレオン・ガーバー氏が指摘しています。
Overthinking Isn't as Helpful as You Think | Psychology Today
https://www.psychologytoday.com/us/blog/perfectionism/202504/overthinking-isnt-as-helpful-as-you-think

ガーバー氏によると、考え方や行動パターンを改善する心理療法である認知行動療法(CBT)などでは、思考法が重要な役割を持つそうです。実際に、ポジティブな空想をすることで心が安らいだり楽しく前向きな気分になったりと精神状態が改善されることがあるほか、怒りや後悔といったネガティブな心理状態でも、適切に思考することで良い結果につながるという研究結果があります。
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しかし、思考をコントロールするのは難しく、特に「考えすぎ型」という状態に陥る人が多いとガーバー氏は述べています。考えすぎ型とは完璧主義者のような思考で、自分が必要以上に賢いと思っていたり、十分に思考する努力をすれば賢くなると信じていたりする人が当てはまります。
ガーバー氏は「考えすぎは自己に対する認知を不用意に煽るだけで、実際には、自分自身を守る能力を高めることにはほとんど役立っていません。考えすぎは、あなたを実際よりも賢く、人生を実際よりも予測可能なものに感じさせます」と述べています。

その上でガーバー氏は、じっくり思考する際の注意点として4点を挙げています。
1:どれだけ多くのデータを持っていても、間違いが起こる可能性、そして実際に間違いを犯す可能性を受け入れる必要があります。
2:考えが正しいか間違っているかと、自分が賢いか愚かかという信念は切り離すべきです。賢い人は頻繁に間違いを犯すことを理解し、間違いを防ぐことに多くの時間を費やしません。ほとんどの人は何らかの間違いを犯して自分が愚かだと感じますが、それは感情的な推論であり、認知の歪みです。
3:たっぷり考えても何らかの悪いことを回避できなかった時は、それはあなただけが予測できなかったことだったのか、それとも他の人も予測できなかったことだったのか自問自答してみると良いです。
4:考えすぎることは、実際には望んでいない程度の責任を負うことを意味します。「常に正しくなければならない」という思考は、慢性的な不安を抱えながら生きることを意味します。自己認識の誤りを認めることで、考えすぎによって見逃していたかもしれない人生の様々な側面を、楽しみ始めることができるでしょう。
ただし、思考することが無駄というわけではなく、ガーバー氏によると、ネガティブなバイアスは多くの場合的外れで、考えが正しい確率は思ったより低くはない可能性があるそうです。問題なのは考えることに重きを置きすぎる場合で、悪い思考のサイクルに陥って他の重要なものが見えなることがあります。そのため、「謙虚になること」が重要だとガーバー氏は主張しています。
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