Wikipediaを運営するWikimedia財団が仮想通貨による寄付の受付停止を発表
オンライン百科事典サイトWikipediaを運営している非営利組織Wikimedia財団が、3カ月にわたる議論の末に、仮想通貨による寄付の受付を停止することを発表しました。
The Wikimedia Foundation has decided to stop accepting cryptocurrency donations. The decision was made based on a community request that the WMF no longer accept crypto donations, which came out of a three-month-long discussion that wrapped up earlier this month. pic.twitter.com/RHAD0FRA5W
— Molly White (@molly0xFFF) May 1, 2022
Wikimedia Foundation stops accepting cryptocurrency donations
https://web3isgoinggreat.com/?id=wikimedia-foundation-stops-accepting-cryptocurrency-donations
Wikipediaは広告収入に頼らず、個人・団体からの寄付によって運営費をまかなっています。2014年3月、創設者のジミー・ウェールズ氏が仮想通貨ビットコインに興味を持ったことを表明したところ、ユーザーがウェールズ氏のウォレットに仮想通貨を送るようになり、2014年8月、Wikipediaに対して仮想通貨で寄付が行えるようになりました。
度々寄付を募っているWikipediaが仮想通貨Bitcoinでの寄付に対応 - GIGAZINE
しかし、ビットコインなどの仮想通貨を入手する「マイニング」を効率的に行うには高性能PCを動かし続けることになり、環境負荷が高いことがわかっています。2022年1月から4月に有志のもとで行われた意見募集では、7割超のユーザーが仮想通貨での寄付受け入れに反対しているという結果が出ました。
Wikipedia編集者が運営に「仮想通貨の寄付の受け付け停止」を要求する投票が賛成多数で決議される - GIGAZINE
この結果は拘束力を持たないものでしたが、Wikipediaを運営するWikimedia財団はコミュニティの意見を尊重。Bitpayのアカウントを閉鎖し、仮想通貨を受け入れる機能を停止することを決定しました。
なお、2021年にWikimedia財団に寄せられた仮想通貨による寄付額は13万ドル(約1700万円)相当で、寄付額全体の0.08%だったとのことです。
・関連記事
Wikimedia財団がリポジトリをGitLabに移行することを正式に決定 - GIGAZINE
頻繁に寄付をお願いしてくるWikipediaの運営組織はかなり潤沢な資産を持っているとの指摘 - GIGAZINE
Wikipediaが「中国人編集者の身の安全を守るため」に一部の編集者アカウントをBANに - GIGAZINE
・関連コンテンツ