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YouTubeと同じインフラで動画配信&動画の広告挿入もできる「Media CDN」をGoogle Cloudがリリース


2022年4月28日、Google Cloudが拡大を続けるデジタルメディアとオンラインエンターテインメント業界向けの新型コンテンツデリバリーネットワーク(CDN)である「Media CDN」を発表しました。

Media CDN, modern extensible platform for immersive experiences | Google Cloud Blog
https://cloud.google.com/blog/products/networking/introducing-media-cdn

これまでにもGoogle Cloudは静的なウェブサイトやスクリプトなどの配信に特化した「Cloud CDN」というCDNサービスを提供してきましたが、新たに発表されたMedia CDNは「YouTubeと同じインフラを活用している」という点が最大の特長。YouTubeのインフラを活用することで、躍進を続けるメディア&エンターテインメント企業向けに、VRなどの没入型体験を提供できるように大容量ファイルを効率的に配信できるようになっているそうです。

Googleは何十年にもわたって世界200カ国以上・1300超の都市にインフラを構築してきたため、Googleのインフラには「ユーザーの近くのサーバーからコンテンツを配信できる」というメリットがあるとのこと。物理的にユーザーの近くにあるサーバーからコンテンツを配信することで、高ビットレートでの配信や再読み込みの減少が実現できるため、「ユーザー側に優れたエクスペリエンスを提供できるようになる」とGoogleは説明しています。

また、Media CDNはIPv6やQUIC(HTTP/3)、TLS 1.3、TCP BBRなどの最新技術や最新プロトコルをサポートするだけでなく、ユーザーやネットワークに応じて配信プロトコルを自動変更するという機能も実装。そのほか、キャッシュを複数レイヤー化&大容量化して配信元へのリクエストを極力少なくし、配信元の負担を軽減できると説明されています。


また、配信コンテンツのリアルタイム計測と細かいメトリクスの取得も可能であるほか、 gcloudコマンドやREST APIによる設定やTerraformによるコード管理が行えるなど、DevOpsフレンドリーな環境も整っているとのこと。

Googleの発表に合わせてコンテンツプラットフォームのU-NEXTがMedia CDNを導入すると明かしており、U-NEXTのリー・ルートンCTOは「Media CDNはオリジンサーバーからのリクエストの98.3%を肩代わりしてくれただけでなく、品質も一貫して素晴らしい」とコメントしています。

なお、Media CDNの技術的な詳細についてはGoogle Cloud Japanの段野祐一郎氏の解説が非常にわかりやすいため、以下を参考にしてください。

メディア&エンタメ業界向け CDN、Media CDN リリース! | by Yuichiro Danno | google-cloud-jp | Apr, 2022 | Medium
https://medium.com/google-cloud-jp/media-cdn-launched-938867018a34

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in ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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