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仮想通貨取引所Coinbaseがロシアと関連するウォレット2万5000件をブロック


ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、世界各国の政府により個人・団体・地域に対してさまざまな制裁措置が講じられる中、仮想通貨取引所のCoinbaseが、違法な活動に従事していると考えられるロシアの個人・団体に関連するウォレットアドレス2万5000件以上をブロックしたことがわかりました。

Using Crypto Tech to Promote Sanctions Compliance | by Coinbase | Mar, 2022 | The Coinbase Blog
https://blog.coinbase.com/using-crypto-tech-to-promote-sanctions-compliance-8a17b1dabd68


ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、仮想通貨の取引所に対してはロシアのユーザーのアカウントやウォレットを凍結するよう望む声が寄せられていますが、各取引所は「法的根拠がない」として拒否する姿勢を見せています。Coinbaseも「既存の制裁には従う」とした上で「ロシアのユーザーのアクセスを一律禁止することはできない」とコメントしていました。

ロシアのユーザーに対するアカウント凍結要求を仮想通貨取引所が続々と拒否 - GIGAZINE


Coinbaseとしては、制裁は国家の安全保障の促進や不法な侵略の阻止において重要な役割を担うので支持するという姿勢であり、アメリカ・イギリス・EU・国連・シンガポール・カナダ・日本による制裁を受けた個人・団体の情報を参照した上で、制裁対象地域(クリミア・北朝鮮・シリア・イラン)のIPアドレス所有者による口座開設やサービス利用はできないようにしています。

また、制裁を受けた個人が利用しようとしている場合、スクリーニングプロセスを経てアカウントを特定し、凍結するなどの措置を取っています。


さらに、リスクの高い行動を特定して新たな脅威を研究し、さらなる軽減策を開発するためのブロックチェーン分析プログラムを維持しているとのこと。今回、ロシアで不正な活動に従事していると考えられる2万5000件のウォレットアドレスを特定したのも、独自の積極的な調査によるものだそうです。アドレス特定後は制裁の執行をさらに支援するため、情報を政府と共有しているとのこと。

なお、Coinbaseは仮想通貨を用いたマネーロンダリングについて、ブロックチェーンは「追跡可能」「永続的に公開される」といった特性から、従来の金融システムに比べるとわかりやすいと述べています。各国政府から制裁を受けるロシアが仮想通貨を使って経済制裁を回避する可能性を指摘する声もありますが、ロシア中央銀行が準備資産として保有する6300億ドル(約73兆円)超という金額は仮想通貨でいうと全通貨の1日の総取引量の5~10倍に相当するもので、誰にも気づかれることなく、相場にも影響を出すことなく取引を行うことは不可能であるとも述べました。

実際、取引データの分析により、ロシアでの仮想通貨の取引量はウクライナ侵攻のあとでむしろ減少していることが示されており、仮想通貨を用いた経済制裁の回避は行われていないとみられています。

Russian Cryptocurrency Buying is Stalling After Ukraine War - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2022-03-03/russia-s-crypto-volumes-are-stalling-across-the-major-exchanges

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in ネットサービス, Posted by logc_nt

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