ネットサービス

ロシアで2番手のインターネットプロバイダーがロシアでのネットサービスを停止


ロシアでサービスを提供しているインターネットサービスプロバイダーとしては2番手のシェアを誇るCogent Communicationsが、ロシアのクライアントへのインターネット接続サービスの提供を停止したことが明らかになりました。

A new iron curtain is descending across Russia’s Internet - The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/technology/2022/03/04/russia-ukraine-internet-cogent-cutoff/

U.S. firm Cogent cutting internet service to Russia | Reuters
https://www.reuters.com/technology/us-firm-cogent-cutting-internet-service-russia-2022-03-04/

ロシアがウクライナへの侵攻を開始してから、ウクライナでは数百人の死者が出ており、100万人以上が難民として近隣諸国へ避難する事態に陥っています。これを受け、Facebookを運営するMetaはロシア政府関連メディアによる広告掲出および収益化を停止し、AppleMicrosoftなどといった多くの企業がロシアでの製品販売やサービス提供を停止しています。

Microsoft・EA・CD Projekt Redがロシアでの製品販売およびサービス提供を停止 - GIGAZINE


こういった動きに続く形で、Cogent Communicationsはロシアのクライアントへのインターネット接続サービスの提供を停止したと発表しました。Cogent Communicationsはアメリカを拠点とする多国籍インターネットサービスプロバイダーで、デイビッド・シェーファーCEOによると同社はロシアで2番目に大きなインターネットプロバイダーであるとのこと。シェーファーCEOは「ロシア国内から国外へ向けて実施されるサイバー攻撃や偽情報にCogent Communicationsのサービスが使用されることを望まなかったため」と、ロシアでのサービスを停止した理由を説明しています。

しかし、インターネット保護協会の常務理事であるミハイル・クリマレフ氏は、「ロシアでインターネットを遮断してしまうと、少なくともいくつかの正しい情報から1億4000万人のロシア国民が遮断されてしまうことを意味するということを、全世界の人々に伝えたいと思います。インターネットが存在する限り、人々は真実を知ることができます。しかし、インターネットがなくなればロシアの人々は政府によるプロパガンダを聞くだけとなってしまうでしょう」と語り、国際社会から孤立しつつあるロシアをインターネットから締め出すことで、国民が正しい情報にアクセスできなくなる可能性を危惧しています。

ロシアによるインターネット検閲についてまとめた書籍「The Red Web」の著者であるロシア人ジャーアナリストのアンドレイ・ソルダトフ氏によると、ロシア国内から国外のサービスにアクセスするにはますますVPNに依存しなければいけない状況に陥っている模様。加えて、ロシア政府がVPNに対する規制を行う可能性もあると述べています。

しかし、ロシアが国営メディアを用いて報じるプロパガンダが上手く機能しているかには疑問符が付くようで、チェコに拠点を置くラジオ局のRadio Free Europeによると、「世界中のロシア語でシェアされているニュース記事は、ロシア国営メディアによる記事よりもそれ以外のメディアにより公開されている記事の方が多い」と述べています。

ロシア政府は多くの国外メディアへのアクセスをブロックしており、ブロックされたメディアにはBBC、Voice of America、Radio Free Europe、Radio Liberty、Deutsche Welleおよびウクライナの主要メディアなどが含まれます。また、ロシア政府はTwitterやFacebookへのアクセス制限も実施しています。

ロシア当局がTwitterやFacebookへのアクセスを制限する - GIGAZINE


そのため、ロシア国民が国営メディア以外の情報に触れる機会がますます減少するかのように思われますが、ドメイン名やIPアドレスの割当、Domain Name System(DNS)のルートサーバーシステム運用などを行う非営利団体のICANNは、ウクライナからの「ロシアをインターネットから切り離せ」という要求を拒否しており、「我々の使命は懲罰的な行動をとったり制裁を課したり、インターネットの一部に対するアクセスを制限したりすることではありません」と述べており、ロシアに対する制裁を加えるつもりはないと主張しています。

「ロシアをインターネットから切り離せ」というウクライナの要求をICANNが拒否 - GIGAZINE

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in ネットサービス, Posted by logu_ii

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