スマホから目を離すと広告を停止する映画アプリが登場、最後まで再生しないとサービス利用不可
スマートフォン向けのゲームアプリや漫画アプリの中には、「広告ムービーを数十秒再生すると無料で利用可能」という広告モデルを採用しているものもあります。この広告モデルにスマートフォンのカメラを用いたアイトラッキングを組み合わせた「画面を見ていない間は広告ムービーを一時停止する」という機能を備えたアプリが登場しました。
MoviePass 2.0 Wants to Track Your Eyeballs to Make Sure You Watch Ads
https://www.vice.com/en/article/akvnba/moviepass-20-wants-to-track-your-eyeballs-to-make-sure-you-watch-ads
話題となっているアプリは、2019年にサービス停止した「MoviePass」のリブート版サービスに関連するアプリです。MoviePassは「月額料金を支払うだけで映画館で1日1本映画を見放題」というサービスでしたが、赤字が続いたことを受けて2019年9月にサービスを終了し、2020年には運営会社が破産を宣言していました。
その後、2021年にはHelios and Matheson AnalyticsによるMoviePass買収を機に会社を追われていた共同創設者のステイシー・スパイク氏が、MoviePassを買い戻したことを発表。そして2022年にはMoviePassのウェブサイトを更新し、サービスを「MoviePass2.0」としてリブートすることを明かしました。
MoviePass2.0の発表会の中で、スパイク氏は広告を見ることで映画のチケット購入に使える仮想通貨をゲットできるアプリ「PreShow」も発表しました。上述のアイトラッキングによる広告停止機能は、このPreShowに搭載されています。以下のムービーの34分頃からは、スパイク氏によるPreShowの動作説明を確認できます。
MoviePass 2.0 Event - YouTube
PreShowの画面には、MoviePassのサービスを利用して鑑賞できる映画が並んでいます。
映画の詳細ページ下部に位置された「Watch For 5,000 Points」というボタンをタップすると……
広告ムービーが表示されました。この時点ではスパイク氏がデモ用のスマートフォンの画面を見ていないため、ムービーは再生されません。
スパイク氏が画面に視線を向けると……
広告ムービーが再生されます。
再び視線を外すと、広告ムービーが停止。さらに画面上部には「Are you still there?(まだそこにいますか?)」と表示されました。
その後、視線を戻して最後までムービーを再生すると、PreShowが完了したことを示す画面が表示されました。
スパイク氏によると、一般的な広告ムービーの場合、70%の人は広告の再生中に他の物事に集中しているとのこと。スパイク氏はPreShowではユーザーに広告を効果的に印象付けられるとアピールしています。
なお、アイトラッキングによる広告停止機能を含むリブート版のMoviePassは、2022年夏に公開予定とされています。
・関連記事
映画見放題サービス「MoviePass」はなぜ赤字を垂れ流しているのか? - GIGAZINE
ウェブサイトがJavaScriptとCookieなしで個人を追跡する方法が一発で理解できる「No-JavaScript fingerprinting」 - GIGAZINE
使用中のGPUから個人を識別できる技術が登場、同じ型番のGPUでも正確に見分けられる - GIGAZINE
ページを見ると最初に表示されるあの「同意を求めるポップアップ」のIAB Europe版がGDPR違反だと指摘される - GIGAZINE
YouTubeが「広告非表示」のみに絞った安価な有料プラン「Premium Lite」をテスト中 - GIGAZINE
・関連コンテンツ