金魚が「魚類運転車」を正確に運転できることが研究で明らかに
動物にとって「ナビゲーション」は餌の採集や仲間の探索、逃げ場探しなど、生存において重要な能力です。イスラエルのネゲヴ・ベン=グリオン大学のShachar Givon氏らはナビゲーション能力が環境や生態系に依存するものなのか普遍的なものなのかを調べるため、自走可能な機能を搭載した水槽「魚類運転車(Fish Operated Vehicle:FOV)」を作って金魚を入れ、目標に向けて運転する能力を鍛えるという研究を行いました。
From fish out of water to new insights on navigation mechanisms in animals - ScienceDirect
https://doi.org/10.1016/j.bbr.2021.113711
Scientists train goldfish to drive a fish-operated vehicle on land | Ars Technica
https://arstechnica.com/science/2022/01/goldfish-can-learn-to-drive-and-navigate-terrestrial-environments/
研究チームは40cm×40cm×19cmの水槽に車輪をつけたFOVを制作しました。FOVは、水槽を見下ろすようにカメラが取り付けられており、金魚が特定の壁面に近づいて外側を向いているとき、その方向に動くようになっています。実験に参加した金魚は体長15cm~18cm、体重80g~120gの金魚6匹。
FOVは3m×4mの部屋の中央に配置されました。部屋の壁は三面が白く、うち一面には窓があり、残り一面は白いカーテンになっています。タスクに応じて、移動目標として着色した60cm×40cmの波板が壁面に配置されました。
実験は、金魚が水槽から目標を確認し、その方向にFOVを「運転」できるのかを確かめる形で行われました。FOVが目標に到着できたら、金魚には0.002gの餌ペレットが与えられました。
この結果、金魚はFOVを目標地点に向けて「運転」することに成功したとのこと。
Givon氏らは、金魚が空間把握能力とナビゲーション能力を普段生息する水中とはまったく異なる陸域環境に移せたことを示す結果となり、ナビゲーション能力が普遍的なものであることを示唆するものだと述べています。
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