ハードウェア

新型コロナ検査キットを分解したらARMのチップが出てきて想像以上のハイテク製品だったことが判明


ハードウェアやソフトウェアのリバースエンジニアリングに取り組んでいるプログラマーのFoone氏が、自宅で使える新型コロナウイルス感染症(COVID-19)検査キットである「COVID-19 Home Test」をバラバラに分解したところ、中にArm製のチップが埋め込まれていることが明らかになり、想像以上にハイテクなものであることが判明しました。

fooneさん (@Foone) / Twitter
https://twitter.com/Foone

Ellume製の自宅でCOVID-19検査が行える「COVID-19 Home Test」は、本体にディスプレイなどはなく、1つのボタンが付いているだけの簡単な構造をした検査キットです。検査結果はBluetooth接続したスマートフォンに送信されるように設計されています。


見た目はこんな感じで非常にシンプル。右にあるのがグレーの円形ボタンで、右にある凹みにサンプルを置くとライトが点滅して検査を行ってくれるという仕組みになっています。


背面には製品名およびFCC IDなどが記載されています。


筐体を分解すると中にはプリント基板・防湿材・ボタン電池が入っており、「内容物的には妊娠検査キットによく似ている」とFoone氏。


プリント基板の上に載っている真っ黒なケースを分解すると、中には検査用のシートが入っており……


その下にはレンズなどが搭載されていることがわかります。


このレンズをより近くで撮影したのが以下の写真。


さらに、プリント基板の通りで「2~3個のLEDと2つの光センサーを確認することができる」とのこと。


プリント基板の裏面は以下の通り。「BT Analyzer PCB - Stanley v3.0」「M1000169」と基板の名称らしきものも書かれています。


その他、基板上で確認できるものとしては「ELMBTC15 08011053」や……


黒地の基板についている黒色のアンテナ


Nordic Semiconductor製のSoCである「nRF52810」など。nRF52810は64MHzで動作するArm Cortex-M4と、192KBのフラッシュストレージ、24KBのメモリ(RAM)、2.4GHz帯のBluetooth LE対応トランシーバーを内蔵しています。


nRF52810は1.6~3.6Vで動作し、12ビットのA/Dコンバータも組み込まれているとのこと。なお、nRF52810の製品概要には推奨されるアプリケーションとして「使い捨て医療センサー」と書かれています。


DigiKey Electronicsによると、nRF52810は単品だと3.85ドル(約440円)ですが、1000個以上をまとめて購入すると1個当たりの単価が1.925ドル(約220円)まで下がる模様。なお、COVID-19 Home Testはウォルマートで26.1ドル(約3000円)で販売されています。


なお、Foone氏は過去に妊娠検査キット上でDOOMを再生することに成功していますが、nRF52810はDOOMを再生するにはメモリが不十分であるとのこと。ただし、nRF52810はSPIとI2Cという2つのインターフェイスに加えて、Nordic Semiconductor独自のプログラマブルペリフェラルインターコネクトバスを備えているため、メモリを追加することは「間違いなく可能」だそうです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
ハードウェアネクロマンサーが妊娠検査キットにある画面上でDOOMやBad Apple!!を再生することに成功 - GIGAZINE

あの「たまごっち」をヒントに開発されたWi-Fiハッキングが可能な電子ペット「Pwnagotchi」 - GIGAZINE

Googleのストリーミング端末「Chromecast」がハッキングされ人気YouTuberの宣伝を垂れ流す - GIGAZINE

Nintendo SwitchをハックしてLinuxタブレットに変えた猛者が登場 - GIGAZINE

in ハードウェア, Posted by logu_ii

You can read the machine translated English article After disassembling the new corona inspe….