安眠に役立つとされている「ピンクノイズ」が実は睡眠の質を損なってしまうかもしれない

「ピンクノイズ」とは、周波数が低下するにつれて強度が高くなるタイプのノイズ音で、雨音や風が木の間を抜けるような柔らかい音とも形容されます。そんなピンクノイズには人を眠りに誘う効果があるといわれていますが、新たな研究ではピンクノイズが睡眠の質を損なう可能性があるとの結果が示されました。
Efficacy of pink noise and earplugs for mitigating the effects of intermittent environmental noise exposure on sleep | SLEEP | Oxford Academic
https://academic.oup.com/sleep/advance-article/doi/10.1093/sleep/zsag001/8452884

'Pink Noise' Could Be Harming Your Sleep Quality, Study Warns : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/pink-noise-could-be-harming-your-sleep-quality-study-warns
ピンクノイズは広帯域ノイズの一種で、ホワイトノイズよりも高周波の強度が低いため柔らかい音であるといわれています。ピンクノイズには安眠効果があるとされており、YouTubeやSpotifyなどでは睡眠用のピンクノイズが多数配信されています。
超高音質ピンクノイズ 解説付き 記憶力の向上 / 勉強集中 / 深い睡眠 / 耳鳴りに - YouTube

そんなピンクノイズが睡眠にもたらす効果を調べるため、ペンシルベニア大学などの国際研究チームは21~41歳の健康な被験者25人を睡眠用の研究室に招き、さまざまな条件で眠ってもらう実験を行いました。被験者はいずれも睡眠障害を患っておらず、これまで睡眠のために各種ノイズなどの音声を使用したことがありませんでした。
集められた被験者は研究室での睡眠に慣れるため、まず騒音のない環境で1泊しました。その後、「騒音のない静かな状態(平均騒音レベル:23.7dB)」「飛行機などの騒音が聞こえる状態(平均騒音レベル:43.2dB)」「50dBのピンクノイズが聞こえる状態(平均騒音レベル:50dB)」「騒音+40dBのピンクノイズ(平均騒音レベル:45dB)」「騒音+50dBのピンクノイズ(平均騒音レベル:50.9dB)」「騒音が聞こえる状態で耳栓を着用(平均騒音レベル:43.2dB)」というさまざまな条件で睡眠しました。被験者は7つのグループに分けられ、各睡眠条件の順序はグループによって異なりました。
研究チームはそれぞれの被験者の睡眠の質を測定したほか、前夜の睡眠を評価するアンケートに答えてもらったほか、各睡眠の前後で認知機能や心血管系のテストを実施しました。なお、被験者は日中の運動や昼寝、飲酒といった睡眠に影響を与える行動を禁止されていました。

実験の結果、騒音のない静かな夜と比べて騒音が聞こえる夜は、ノンレム睡眠の最も深い段階である「N3」の時間が平均23分も短くなりました。一方、50dBのピンクノイズが聞こえる夜は騒音のない夜と比べて、睡眠1回あたりのレム睡眠の時間が平均19分も短くなりました。被験者の自己申告でも、騒音やピンクノイズにさらされた夜は静かな夜と比べて眠りが浅くなり、より頻繁に目が覚め、全体的な睡眠の質が悪くなったと報告されています。
また、ピンクノイズと騒音が両方聞こえる夜は、騒音のない夜と比較して総睡眠時間が約15分減り、深い睡眠とレム睡眠両方の時間が短くなりました。なお、騒音またはピンクノイズが単体で聞こえる夜の総睡眠時間は、騒音のない夜とそれほど大きな差はありませんでした。
注目すべき点として、騒音がある夜でも被験者が耳栓をしていた場合、睡眠の質や時間は騒音がない夜とあまり変わりませんでした。この結果は、睡眠の質の向上に役立つのはピンクノイズを流すことよりも耳栓をすることである可能性を示唆するものです。
論文の筆頭著者でペンシルベニア大学の睡眠研究者であるマティアス・バスナー博士は、今回の実験は小規模なものであるものの、レム睡眠と深い睡眠が脳の健康にとって重要であるという点を考慮すると、ピンクノイズを睡眠に役立てることに疑問を投げかけると指摘。ノンレム睡眠は心身の疲労回復にとって重要であり、レム睡眠も記憶の定着や感情の調整、脳の発達に重要だということがわかっています。
バスナー氏は、「私たちの研究結果は、ピンクノイズやその他の広帯域ノイズを睡眠中に流すと有害な可能性があると示唆しています。特に、脳がまだ発達中で大人よりもレム睡眠の時間がはるかに長い子どもには害があるかもしれません」と述べました。
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