生き物

ホホジロザメはやはり人間とアザラシやアシカとの見分けがついていなかった


サメが人間を襲う理由はいまだにはっきりとはわかっていませんが、サーファーが襲われる事例が多い点については、「水中から見たときに捕食対象のアザラシやアシカと似たシルエットなので見間違えによるものである」という説がありますこれが実際にどうなのかを検証した研究が行われています。

A shark's eye view: testing the ‘mistaken identity theory’ behind shark bites on humans | Journal of The Royal Society Interface
https://doi.org/10.1098/rsif.2021.0533


Great white sharks can't see a difference between humans and prey | Live Science
https://www.livescience.com/great-white-shark-mistaken-identity

研究では、アザラシやアシカなどの鰭脚類、泳いでいる人間、サーフボードに乗った人間が、水中にいるホホジロザメからどう見えているかという検証が行われました。


ホホジロザメは色覚がなく、人間のように水中の物体を細部までは見ることができません。これを踏まえ、研究チームはサメの網膜に合わせて人間や生き物の映像を処理した上で比較を行いました。

その結果、ホホジロザメからは泳ぐ鰭脚類も人間も、ほぼ同じような動きと形状に見えていることがわかりました。

検証にはロングサーフボード(2.83m×0.58m)とショートサーフボード(1.77m×0.5m)が含まれ、ロングサーフボードに乗ったサーファーの場合はアザラシとはそれほど似ていないという結果でしたが、実際にはサメがロングサーフボードにかみついた事例が報告されているため、筆頭著者のローラ・ライアン氏は「見え方の違いがサメの行動にどう反映されるかはわからない」と述べています。

なお、この研究の対象となっているのはホホジロザメのみで、イタチザメやオオメジロザメは異なった見え方である可能性があります。

また、ホホジロザメに襲われて亡くなった人の数は2020年に6人と、他のサメに比べると多いのですが、そもそもサメに襲われるリスクは他の死亡事故リスクに比べると低いとのことです。

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in 生き物, Posted by logc_nt

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