罵倒はカロリーゼロ・薬物不使用・低コストな身体能力向上ツールであることが判明

重い物を持ち上げたり固いフタを開けたりする際は「このやろ~っ!」といった罵倒語をついつい発してしまいがちです。イギリスのキール大学の研究チームは「罵倒語を発すると身体能力が向上する」という研究結果を報告しており、論文がAmerican Psychologistに掲載されました。
“Don’t Hold Back”: Swearing Improves Strength Through State Disinhibition
https://psycnet.apa.org/fulltext/2027-01514-001.html
Why swearing makes you stronger
https://www.apa.org/news/press/releases/2025/12/swearing-makes-you-stronger
Swearing frees the mind to “go for it”, Keele study finds - Keele University
https://www.keele.ac.uk/about/news/2025/december/physical-performance/research-swearing-strength.php
過去の研究ではテニス選手がうなり声を発するとラケットパワーが19~26%向上することや、叫びながら握力計を握ると握力が7%向上することが示されています。今回の研究では罵倒語が身体能力に与える効果が検証されました。
研究チームは合計192人の被験者を対象に、罵倒語か中立語のいずれかを繰り返しつぶやかせつつ「イスに座った状態から両腕を突っ張って体全体を浮かせる」という姿勢を維持できる時間を測定しました。このとき、被験者は罵倒語として「頭をぶつけた際に使う言葉」を、中立語として「机を説明するときに使う言葉」を発するように求められました。

実験の結果、男女のいずれにおいても罵倒語を発した方が姿勢保持時間が長くなることが確認されました。さらに、実験中の心理状態をアンケート調査した結果、罵倒語を発している間は「気晴らし」や「自身」といった脱抑制的な心理効果が現れていることも明らかになりました。研究チームは実験結果をもとに「罵倒語を発することで、内的制約を克服する心理状態を促進し、身体能力を最大限に発揮できるようになる」と考察しています。
また、論文の筆頭著者のリチャード・スティーブンス氏は「人々は多くの状況で意志的もしくは無意識的に全力を発揮することを控えています。罵倒語を発することで、集中力や自身を高め、気が散りにくくなります」「罵倒はカロリーゼロ、薬物不使用、低コスト、そして即座に効果を発揮するパフォーマンス向上ツールなのです」とコメントしています。

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in サイエンス, Posted by log1o_hf
You can read the machine translated English article Swearing turns out to be a zero-calorie,….







