ネットサービス

「Amazon S3」から「Cloudflare R2 Storage」に乗り換えるとどれだけコストを抑えられるのか?


2021年9月28日にコンテンツデリバリネットワーク(CDN)サービスを展開するCloudflareAmazon S3と互換性のあるオブジェクトストレージCloudflare R2 Storage」を発表しました。このCloudflare R2 StorageにAmazon S3から乗り換えるとどれだけのコストを削減できるのかを、AWSユーザーのコスト削減を支援するThe Duckbill Groupでチーフエコノミストを務めるコーリー・クイン氏が解説しています。


Cloudflareは公式ブログで「Amazonは自社のサービスにユーザーを囲い込めるように、AWSの料金を調整している」と苦言を呈したり、マシュー・プリンスCEOがTwitterに「AWSの帯域幅の料金設定は狂気じみています。しかも、顧客がピアリングされたネットワークにトラフィックを送る際に割引をしないというのは、業界の中でもAWSだけです」と投稿したりと、以前からAWSと他社サービスを併用する際の高額さを指摘していました。

AWSの転送料金は法外なほどに高額だとCloudflareが批判 - GIGAZINE


文句をつけていただけあって、2021年9月28日にCloudflareが発表した独自のオブジェクトストレージ「Cloudflare R2 Storage」はデータ読み取り時の料金が無料。データ保存にかかるコストはデータ1GB当たり月額0.015ドル(約1.67円)に設定されており、「競合他社よりも安価な価格設定」「Amazon S3 APIとの完全互換性を持ち、移行がスムーズ」「年間のデータ耐久性は99.999999999%」といった特徴を備えています。

データ読み取り無料でデータ損失も「10万年に1回」のAmazon S3互換オブジェクトストレージ「R2 Storage」をCloudflareが発表 - GIGAZINE


クイン氏は、Amazon S3とCloudflare R2 Storageの両者で1GBのデータを扱う場合を例に、両者のコストを比較しています。まず、Amazon S3では1GBのデータを保存するために月額0.023ドル(約2.55円)が必要で、さらに1GBのデータをユーザーに送信する際に0.09ドル(約10円)のコストがかかります。これに対して、R2 Storageではデータ保存料金が1GB当たり月額0.015ドル(約1.67円)で、データの送信料は無料です。

1GBのデータが1カ月間で100万人にダウンロードされた場合、Amazon S3ではデータ送信が100万回発生し、コストは合計5万3891.16ドル(約600万円)に達します。これに対して、Cloudflare R2 Storageでは何度ダウンロードされてもコストは変化しません。


クイン氏は、複数のオブジェクトストレージにデータを保存することでデータ損失のリスクを軽減できると述べつつ、「年間のデータ耐久性は99.999999999%」とされているCloudflare R2 Storageとだけしか契約しない場合、経済性が大幅に向上すると述べています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
データ読み取り無料でデータ損失も「10万年に1回」のAmazon S3互換オブジェクトストレージ「R2 Storage」をCloudflareが発表 - GIGAZINE

AWSの転送料金は法外なほどに高額だとCloudflareが批判 - GIGAZINE

Cloudflareが「CAPTCHAの狂気」からの完全脱却を表明、物理セキュリティキーを使うシステムを提案 - GIGAZINE

Cloudflareから簡単に「メールアドレス使い分け」ができる新サービスが登場、ワンクリックで可能なフィッシング対策も - GIGAZINE

Cloudflareが「未来のネットワーク」を実現するNaaS「Cloudflare One」を発表 - GIGAZINE

Cloudflareが世界中に高品質なインターネットを届ける「Project Pangea」を発表 - GIGAZINE

in ネットサービス, Posted by log1o_hf

You can read the machine translated English article here.