サイエンス

音波を使って数秒で火を消す音響消火器を16才の少女が開発


メキシコの16歳の女子学生が、音波によって火を消す「音響消火器」を開発しました。

16-year-old Mexican student creates an acoustic fire extinguisher that uses sound waves to put out fires in seconds | Upsocl
https://www.upsocl.com/en/16-year-old-mexican-student-creates-an-acoustic-fire-extinguisher-that-uses-sound-waves-to-put-out-fires-in-seconds/


メキシコ・タマウリパス州アルタミラにある技術系高校「CETIS 78」に通う16歳の学生であるアンヘラ・カリメ・ヴェネガス・エルナンデス氏は、息を吹きかけたり水を使ったりすることなく、音だけでろうそくの火を消すアイデアを着想しました。そこでエルナンデス氏は12ボルトのバッテリー、周波数発生器、そして1秒間に30回のパルスを発するスピーカーを使って装置を組み立てました。

2025年に発表された音響消火システムに関する科学的レビューによると、低周波音、特に様々な実験で確認された40~80ヘルツの範囲の音波は、燃焼を不安定化させる気流の乱れを引き起こす可能性があるとのこと。また別の研究では、集中させた音響パルスが火災現場の上で必要な強度に達すると、音波が炎の周囲の空気に動きと乱流を生み出し、燃焼ゾーンを変化させて熱損失を増加させることで、遠距離から炎を消火できることが示されています。

プロトタイプとして開発された「Vortex Tech」は、そういた科学的原理を実用的な応用を伴うプロジェクトとして昇華させたもの。Vortex Techは音波の振動によって5~8秒で火を消すことが可能で、エルナンデス氏は100回以上のテストを繰り返し、木材・可燃性液体・食用油・電子機器にも効果があることを確認したと報告しています。


Vortex Techは音波のみで消火ができるため、周囲をびしょびしょにしたり汚染物質を排出したりといった残留物の心配がありません。また、使用者に害が与えられることもないように設計されています。

エルナンデス氏のプロジェクトはタマウリパス州で開催された科学技術関連のコンテスト「ExpoCiencias Tamaulipas 2025」の高校生部門で1位を獲得ラテンアメリカ科学応用技術協会(solacyt)にも「応用科学」のプロジェクトとして登録されています。


ただし、Vortex Techはあくまで実験段階の技術であり、制御された炎や小規模な火災の消火に成功したのみとなっています。実際の火災では、発生する物質・温度・規模・換気条件などが非常に多様であるため、音波のみで消火するシステムにはさらなる改良が必要です。また、音波で消火できるというのは特定の低周波の作用であり、火を前にして大きな音を鳴らすことで消火をしようとしても無意味だと警告されています。

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in サイエンス, Posted by log1e_dh

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