サイエンス

鍵穴から通したレーザー光だけで部屋の中の物体の輪郭を認識できる技術の開発が進行している


スタンフォード大学の研究チームが鍵穴からレーザー光を通すことで部屋内に存在するオブジェクトの形状を把握する「Keyhole Imaging」を発表しました。実験では、模擬的な部屋内に設置された物体の大まかな輪郭が把握できることが確認されています。

Keyhole Imaging:Non-Line-of-Sight Imaging and Tracking of Moving Objects Along a Single Optical Path | IEEE Journals & Magazine | IEEE Xplore
https://ieeexplore.ieee.org/document/9302876

Computational Imaging Keyhole Imaging | IEEE TCI 2021
https://www.computationalimaging.org/publications/keyhole-imaging/

A Laser Can Now Use a Keyhole to See Inside a Closed Room - Nerdist
https://nerdist.com/article/keyhole-imaging-allows-laser-to-visualize-closed-room/

A laser camera that can see an entire room through a keyhole | Boing Boing
https://boingboing.net/2021/09/09/a-laser-camera-that-can-see-an-entire-room-through-a-keyhole.html

当たり前のことですが、我々が見ることができるのは「視界内に存在する物体」だけであり、例えば「角を曲がった先にある物体」などは見ることができません。しかし、自動車の運転などにおいては角を曲がった先にある物体を把握できれば事故の発生確率を下げられるため、視界外に存在する物体を視覚的に把握する「Non-line-of-sight(NLOS、見通し外)イメージング」と呼ばれる技術の研究が長年続けられてきました。

新たにスタンフォード大学のクリストファー・メッツラー氏らが発表したのは、鍵穴からレーザー光を照射することで部屋内のオブジェクトの輪郭を把握するというNLOSイメージング技術。「Keyhole Imaging(鍵穴イメージング)」と名付けられた今回の技術をわかりやすく解説するムービーが以下。

Keyhole Imaging | IEEE TCI 20201 - YouTube


鍵穴からレーザー光を通した場合……


壁面への反射を経て、目標物にレーザー光の一部が照射されます。


今回のKeyhole Imagingは、目標物に当たってから反射してきたレーザー光を……


照射時とは逆の経路でキャッチして、部屋内の視覚的イメージを作成するというコンセプト。


研究チームは実験を行って、現段階でどれほど正確に像のイメージを取得できるか確認しています。


実際の結果が以下。マネキンは大まかな外形しかわからないイメージしか取得できていませんが、K・E・Yのアルファベットについては粗いながらも外形がわかるイメージが取得できています。ただし、現段階では反射して戻ってきたレーザー光の変化からイメージを作成しているため、物体については動いている必要があるとのことでした。

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in サイエンス,   動画, Posted by darkhorse_log

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