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ネットいじめの温床となった半径8kmに匿名メッセージを送信できるソーシャルメディアアプリ「Yik Yak」が4年ぶりに復活、報道機関からは「なぜ戻ってきた」との声も


半径5マイル(約8km)のユーザーと匿名でやりとりできるソーシャルメディアアプリ「Yik Yak」が約4年ぶりに復活しました。報道機関各社はYik Yakがネットいじめや脅迫、嫌がらせ、悪意のある表現の温床となっていた事態を改めて取り上げており、IT系ニュースメディアのMotherboardは「誰も復活を望んでいなかったのに」とまで述べています。

Yik Yak on the App Store
https://apps.apple.com/us/app/yik-yak/id1573043816

Remember Yik Yak? Well, it's back and still anonymous.
https://mashable.com/article/yik-yak-is-back-2021

Local and anonymous social media app Yik Yak is back - The Verge
https://www.theverge.com/2021/8/16/22627452/yik-yak-app-ios-back-local-anonymous-social-media

Yik Yak, Famous for Cyberbullying and Racism, Makes Comeback No One Asked For
https://www.vice.com/en/article/4av8vn/yik-yak-famous-for-cyberbullying-and-racism-makes-comeback-no-one-asked-for

Yik Yakは半径5マイル(約8km)のユーザーのみ参加できるディスカッションスレッドで匿名メッセージをやりとりできるというソーシャルメディアアプリ。各ディスカッションスレッドに投稿されるメッセージは完全に匿名ですが、スレッドに参加したユーザーが各メッセージに賛成・反対の票を投じることも可能で、賛成票が多いメッセージを上位に表示するという機能も備わっていました。


Yik Yakは2013年11月のリリース直後からアメリカで人気が爆発し、登場からわずか12カ月でアメリカにおけるソーシャルメディアアプリのダウンロードランキングで9位という地位にまで上り詰め、時価総額は4億ドル(当時のレートで約350億円)に到達しました。

こうしてアメリカでブームを巻き起こしたYik Yakでしたが、2015年頃から「ネットいじめの温床になっている」という非難が殺到。メディアによって大きく取り上げられた他、多数の学校・学区が区域内でのYik Yakの使用を禁じ、2016年にはユーザー数が前年比70%減を記録しました。

こうした経緯からYik Yakは2017年5月にサービスを正式終了し、Twitterのジャック・ドーシーCEOが経営する決済サービス「Square」に知的財産権を売却していました。しかし、2021年8月17日に突如として復活を果たしました。

???? ICYMI: After a 4 year hiatus, Yik Yak is available in the App Store again!

???? Anonymity, location-based, the hot feed & more -- everything you used to love about Yik Yak

???? Now available on iPhone in the US -- more countries and devices coming soon!

https://t.co/2B2NCKamdV pic.twitter.com/HUAKh4elcA

— Yik Yak (@YikYakApp)


復活したYik Yakは利用規約に「個人情報の共有の禁止」「いじめ、虐待、名誉毀損、嫌がらせ、ストーカー行為、または標的を絞った憎悪や公の場での屈辱と解釈される可能性のある投稿の禁止」などを明記し、違反者には利用停止措置を講じる可能性があると警告しているほか、反対が5票に達したメッセージは非表示にするなどの有害な投稿に対する措置を新たに講じています。

報道各社はYik Yakの復活に対して、かつてネットいじめの温床になったという経緯を改めて報じており、Motherboardは「誰も復活を望んでいなかったのに」と、Mashableは「良くも悪くも戻ってきてしまった」と手厳しい論評を掲載しています。

Yik Yakは2021年8月17日時点ではアメリカのユーザーのみ利用可能となっていますが、開発チームは今後まもなく利用可能地域や利用可能デバイスを拡大する予定だと語っています。

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in モバイル,   ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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