ガス火の力でふっくら炊飯&持ち運び可能で野外でも炊きたてのお米が食べられるイワタニのカセットガス炊飯器「HAN-go」レビュー
「キャンプやBBQなど野外でもおいしいお米を食べたい!」という人は多いかもしれませんが、炊飯器を使わずにたき火やガスバーナーでお米を炊くのはなかなか難しいもの。イワタニのカセットガス炊飯器「HAN-go」はカセットボンベ(CB缶)を使用するため場所を選ばず、屋内だけでなく屋外に持ち出してキャンプやBBQなどでも炊飯可能な上、火力調節の必要もないという優れもの。そんなHAN-goで実際にどうやって炊飯できるのかを確かめてみました。
カセットガス炊飯器 HAN-go | 岩谷産業株式会社
http://www.i-cg.jp/product/burner/cb-rc-1/
◆HAN-goの外観およびセッティング
これが「HAN-go」の外箱です。大きさは縦32cm、横34cm、高さ40cm。
中には「HAN-go」の下部、上部、単3電池1本、そして取扱説明書が入っていました。
本体下部はこんな感じ。カセットボンベを装着する燃焼部です。
上部にはバーナーがあり……
前面には点火つまみ、1~5合までの火力調節レバー、「ON」と「OFF」が記された器具せんつまみがあります。
本体下部の側面を開くと、カセットボンベを装着することができ……
点火用の単3電池をセットする場所もあります。
炊飯釜をセットする本体上部はこんな感じ。持ち運び用のハンドルもついています。「Iwatani」のロゴの下には、火を確認するのぞき窓がありました。
フタを開くと……
中には内ぶたと炊飯釜が入っていました。
内ぶたの片面には「この面を手前にしてとりつけてください。」という表示があり……
裏面には穴が空いています。
最初に内ぶたをセットすることにします。裏面の穴を、フタの裏側にあるボルトに合わせて……
ぐっと差し込めばOK。
炊飯釜をセットするとこんな感じ。すっぽり入ります。
本体上部と下部を合体させるには、下部の出っ張りと……
上部にある溝の広くなった部分をかみ合わせます。
おおよその目安をつけて本体上部をのせ……
あとは上部と下部にそれぞれ存在する矢印マークを見ながら調節すればOK。
矢印が合わさったら、上部をひねって下部の出っ張りを上部の溝に差し込みます。
下部にあるロック用のつまみを回して、ロックの位置に合わせればOKです。
HAN-goは幅の広い部分が27.5cm、奥行きが27.5cm、高さは33.4cm。カセットボンベを装着していない状態の本体重量は、上部と下部を合わせて約5kgとなっています。
実際に編集部員が持ってみるとこんな感じ。約5kgという重さと大きさもあって、中身の入ったウォーターサーバーを持っているような感覚です。
カセットボンベを装着するには、下部の側面を開けてボンベを入れ……
本体の出っ張りとボンベ上部のリングにある欠け部分を合わせて奥まで差し込みます。
そして、所定の位置に単3電池をセットすればOKです。
◆屋外で炊飯
HAN-goは電気を使わずカセットボンベのみで炊飯ができるとのことで、実際に「HAN-go」を野外に持ち出して炊飯してみました。なお、持ち運びの際は安全のためにカセットボンベを外し、別々に持って行きます。
今回は無洗米を5合用意し、HAN-goが炊飯できる上限まで米を炊いてみることにしました。無洗米を炊飯釜に入れ……
水を所定の位置まで注ぎます。
そして30分ほど吸水させます。なお、今回は夏のため30分の吸水でしたが、寒い秋~冬にはより長い時間吸水させた方がベターです。
水の目盛りが5合の部分になっているかどうか確かめ、減っている場合は補充し……
カセットボンベをセットします。
フタが閉まっていることを確認し……
火力調節レバーを米の分量にセットします。今回は5合炊きのため、「5」の位置にセット。
器具せんつまみをひねって「ON」に合わせ……
点火レバーを一杯まで押し下げると、ガスコンロに火を付ける時と同じ「チチチチ」という音が鳴り、やがて点火します。
のぞき窓から火が付いていることを確認したらOK。
あとは炊飯が終わるまで待つだけです。たき火やアウトドア用のガスバーナーで調理する場合、火加減を調節したり風から火を守ったりしなくてはなりませんが、HAN-goはこうしたアウトドアならではの問題を気にすることなく、のんびり炊き上がりを待つことができます。
炊飯中は本体上部が熱くなるため、触らないように注意が必要です。
ガス火炊きで一気に炊飯釜を熱するため、数分~10分ほどで上部から湯気が出始めます。取扱説明書によると、炊飯時間の目安は1合で約12分、3合で約15分、5合で約18分とのこと。今回のレビュー時は外気温が26~28度ほどであり、取扱説明書通り約18分ほどで炊飯が終了しました。
炊き上がると自動で火が消え、点火レバーも「消」の部分に戻ります。この後すぐにフタを開けるのではなく、そのまま約15分ほど蒸らすことでよりおいしく炊き上がります。
炊飯が終わったら火が消えたことを確認し、器具せんつまみを「OFF」にすると安全です。
蒸らしを終えてフタを開けると……
湯気と共に炊き上がったお米が登場。勢いよくガス火で炊いたおかげか、お米が立っていました。
すぐにお米をほぐして余分な水分を逃がし……
さっそく盛り付けました。真っ白な米が美しく見えます。
ガスの火力で一気に炊き上げられたお米はふっくらした食感で、かむとお米の優しい甘さが口の中に広がる上に、野外で食べるとおいしさが一層際立ちます。
炊飯を終えたらカセットボンベを外し……
一度点火レバーを押し下げて火を付けることで、配管内に残ったガスを燃焼させて安全に持ち運ぶことができます。なお、イワタニのカセットボンベ1本で1合の炊飯が約19回、5合の炊飯が約8回可能だそうです。
そして単3電池も外して持って帰ることで、消耗や液漏れを防げるとのこと。
実際に屋外にHAN-goを持ち出してみた感想として、重量が5kgある上に体積が大きいため手に持ったまま長距離を持ち運ぶのはだいぶ骨が折れますが、車などにのせてキャンプやBBQサイト近くまで乗り入れれば問題ないという印象。アウトドアで大量のお米を炊くには技術や経験が必要ですが、HAN-goがあれば誰でも手軽に5合までのお米を炊くことが可能なため、大勢でのキャンプやBBQにピッタリだと感じました。また、電気がなくてもカセットボンベと単3電池さえあれば炊飯できるため、災害などでライフラインが止まった状況でもお米が炊けるのは安心です。
◆炊飯器で調理
HAN-goは単にお米を炊くだけでなく、通常の炊飯器と同じように炊き込みご飯や料理にも使うことが可能です。今回は、イワタニの公式サイトに掲載されているレシピを参考に、海南鶏飯(シンガポールチキンライス)を作ってみました。
まず、鶏モモ肉2枚をそれぞれ4等分に切って……
ジッパー付きポリ袋に塩(小さじ2分の1)・砂糖(小さじ2分の1)・酒(大さじ1)、ニンニクすりおろし(小さじ1)、ショウガすりおろし(小さじ1)を混ぜて入れ、鶏モモ肉をその中に入れてよくもんで下味を付けます。なお、野外で料理する場合は自宅でここまでの工程を済ませておき、ジッパー付きポリ袋ごとクーラーボックスに入れて持って行くと楽です。
肉に下味を付けている間に、無洗米3合を水に浸して吸水させます。
吸水が終わったら水を米の量に合わせ、鶏ガラスープの素(小さじ2)を入れて混ぜます。なお、水の量は鶏肉から水分が出ることを見越してやや少なめでOKとのこと。
続いて鶏モモ肉の皮面を下にして並べ、最後に長ネギの青い部分(10cmくらい)をのせます。
そして火力調節レバーを3合に合わせて器具せんつまみを「ON」にし、点火レバーを押して炊飯をスタート。
調理中から食欲をそそるいい匂いが立ち上ります。後は炊き上がって15分の蒸らしを終えるまで待てば……
シンガポールチキンライスの完成です。
後は皿に盛り付けます。この際、お好みで三つ葉やプチトマトなどを添えると彩りがあって華やかになります。
シンガポールチキンライスには鶏肉のうま味がしっかり染みこんでおり、ホクホクの鶏モモ肉に鶏皮のプリプリした食感が相まって、いくらでも食べられそうな味に仕上がっていました。それほど味が濃くないため、お好みでタレなどをかけて食べるのもオススメです。
記事作成時点では、「HAN-go」はイワタニの公式通販サイトから税込5万9800円で購入可能となっていました。
イワタニ カセットガス 炊飯器 HAN-go / イワタニアイコレクト
https://www.iwatani-i-collect.com/products/kitchen/item-20534.html
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