Facebookのメッセージアプリ「Messenger」が音声・ビデオ通話のエンドツーエンド暗号化に対応
Facebookのメッセージアプリである「Messenger」が、音声・ビデオ通話機能のエンドツーエンド暗号化に対応したと発表しました。
Messenger Updates End-to-End Encrypted Chats with New Features – Messenger News
https://messengernews.fb.com/2021/08/13/messenger-updates-end-to-end-encrypted-chats-with-new-features/
Facebook adds end-to-end encryption to audio and video calls in Messenger - 9to5Mac
https://9to5mac.com/2021/08/13/facebook-messenger-end-to-end-encryption/
世界的にユーザーのプライバシー保護が叫ばれる中、2021年1月には完全にメッセージ内容が暗号化されるメッセージアプリの需要が高まり、エンドツーエンド暗号化に対応している「Signal」や「Telegram」といったメッセージアプリの需要が増加し、一部のメッセージアプリではユーザー離れが起きました。
そんな中、現地時間の2021年8月13日に入ってようやくFacebookの「Messenger」がエンドツーエンド暗号化に対応したことを発表しています。これにより、Messenger上で行われる音声通話およびビデオ通話で、エンドツーエンド暗号化をオプションで有効化することが可能になります。また、チャット上のメッセージを非表示にするための管理機能も追加されます。
Facebookは「これらの新機能により、通話やチャットをどの程度プライベートにするかをユーザーがより細かく制御できるようになります」と記しています。
◆エンドツーエンド暗号化に対応した音声・ビデオ通話
Messengerは2016年以降、エンドツーエンド暗号化を使用した1対1のテキストチャット機能を提供してきました。しかし、2020年にはMessengerで1日1億5000万回ものビデオ通話が行われるようになり、音声・ビデオ通話の使用が急増した模様。これに伴い、Messengerは音声・ビデオ通話でもエンドツーエンド暗号化に対応することを決定したそうです。
エンドツーエンド暗号化はハッカーや犯罪者から個人的な通話やメッセージを保護するのに役立つため、WhatsAppなどのアプリで広く利用されています。そのため、「エンドツーエンド暗号化は業界標準になりつつある」とFacebookは説明しています。
エンドツーエンド暗号化が施されると、チャットや通話内容にアクセスできるのは利用者だけとなり、通信内容が盗み見られることなく保護されることとなります。つまり、通信内容をFacebookにチェックされる心配もなくなるというわけ。
◆消えるメッセージのコントロールを更新
Messengerはエンドツーエンド暗号化スレッド上でのメッセージが時限性で削除される消えるメッセージという機能を提供しています。この機能を使って「いつメッセージが期限切れになるか」を詳細に設定可能となります。メッセージの削除期限は、最短5秒から最長24時間で設定可能です。
さらに、FacebookはMessenger向けの新機能として「グループチャットおよび通話でのエンドツーエンド暗号化」を、Instagram向けの新機能として「InstagramのDMでのオプトイン形式でのエンドツーエンド暗号化」を近日公開する予定であることも明かしています。
「グループチャットおよび通話でのエンドツーエンド暗号化」は、グループで利用しているチャットスレッドでのエンドツーエンド暗号化を意味しており、すでに一部でテストがスタートしている模様。「InstagramのDMでのオプトイン形式でのエンドツーエンド暗号化」も、一部の国の成人ユーザーを対象にテストが開始されています。なお、同機能を利用するにはInstagramでユーザー同士が相互フォローしている必要があるとのことです。
・関連記事
WhatsAppが数百万人のユーザーを失う事態に - GIGAZINE
なぜメッセージングアプリの「WhatsApp」で大規模なユーザー離れが起きているのか? - GIGAZINE
「犯罪組織が使う暗号化されたメッセージアプリ」のクラッキングに法執行機関が成功 - GIGAZINE
Googleがほぼ全世界に「メッセージ」アプリのRCS機能を展開、エンドツーエンドの暗号化も予定 - GIGAZINE
・関連コンテンツ