AIエージェントの「ハーネス」とは?AIモデルを実際に働かせる4つの仕組み

AIエージェント関連で「ハーネス」という言葉が使われる機会が増えています。AI関連ソフトウェアを開発するEarendilがハーネスについて解説する記事を投稿しています。
What is a Harness? | EARENDIL
https://earendil.com/posts/what-is-a-harness/

ChatGPTやClaudeなどで使われる大規模言語モデルは入力された文章を理解して回答を生成できます。一方で「ウェブを検索して最新情報を集める」「ファイルを書き換える」「計算結果を確認して間違っていたらやり直す」「完成した資料をメールで送る」といった一連の作業を行うには、AIモデルの外側に追加の仕組みが必要になります。
そこで登場するのがハーネスというわけです。Earendilは単純化した表現として「エージェント=モデル+ハーネス」という考え方を紹介しています。AIモデルが推論する部分を担当するとすれば、ハーネスはAIモデルが実際の作業を進められるよう周囲を整える部分に当たります。
Earendilによると、一般的なハーネスには大きく分けて4つの役割があります。
1:システムプロンプト
システムプロンプトはAIモデルに役割や行動方針を伝える指示で、「どのような仕事を担当するのか」「どのようなルールに従うのか」といった前提を与えます。Earendilは「新入社員が仕事初日に受け取る指示のようなもの」と例えています。
2:ツール
文章を生成するだけでは完結しない仕事を行えるよう、AIモデルがウェブ検索やコード実行、メール作成などの機能を呼び出せるようにします。重要なのは道具を用意するだけでなく、AIモデルが状況を見ながら必要な道具を選べる点です。検索結果が足りなければもう一度検索するといった判断も可能になります。

3:エージェントループ
AIモデルが作業を行い、結果を確認し、次の行動を決めるという流れを繰り返す仕組みです。例えば「近隣の学校を調べて比較結果を送って」と依頼されたAIエージェントなら、まずウェブ検索を行い、情報が不足していれば追加で検索します。十分なデータが集まれば表計算ファイルを作り、内容を確認してからメールを作成するといった流れになります。途中の結果を基に次の行動を決める反復処理が、単発で回答を生成する仕組みとAIエージェントを分けるポイントの1つです。
4:変換レイヤー
OpenAIやAnthropicなど複数の提供元ではAIモデルを呼び出す方法やデータ形式が異なる場合があります。変換レイヤーを間に置けば、同じハーネスから複数のAIモデルを利用しやすくなります。仕事の種類によってモデルを変えたり、料金と結果を比較したりする用途にもつながります。
Earendilが開発するオープンソースのハーネス「Pi」も、複数のAI提供元や多数のモデルを切り替えられる設計になっています。さらにPiは拡張機能やスキル、プロンプトなどを変更することでAIエージェントの動作や使える機能を作業方法に合わせて変更できます。
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ハーネスがAIエージェントの能力を大きく左右する例として、NVIDIAが開発するAIエージェントシステム「Agentic Variation Operators(AVO)」があります。AVOはAIが未知の環境とやり取りしながら推論する能力を測るベンチマーク「ARC-AGI-3」において、ベースとなるClaude Opus 5がARC Prizeによる別条件での評価では約30%だった一方、永続的なメモリやツール、作業の進み具合を監視する機能などを組み合わせることで、公開セットの全183レベルをクリアして100%を達成しています。
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NVIDIAは「約30%と100%の2つの評価では推論設定やエージェントシステムなどの条件が異なるため、AVOだけによる性能向上を直接測った結果ではない」と前置きしつつ、モデル単体の評価だけではエージェントシステム全体の性能を表せない例だとしています。
つまりAIエージェントの能力を考える際には、AIモデルそのものに加えて、どのような指示を与えるのか、どのツールを使えるのか、エージェントループの中で過去の結果をどう活用するのか、失敗した際にどうやり直すのかといったハーネス側の設計も重要といわけです。
Earendilは利用者が用途に応じてAIモデルやツールを選び、自分の作業環境に合わせて調整しやすくするためには、特定のAIモデルに依存しないオープンソースのハーネスが広がることが重要だと述べました。
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in AI, Posted by log1d_ts
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