古い動画をAIが簡単操作で高画質化してくれる「Aiarty Video Enhancer」で古い思い出を鮮明によみがえらせてみた

技術の進化と共に動画の解像度は向上していますが、過去に撮影した動画は解像度が低いままなので、画質が粗く、古めかしいものに感じてしまいます。そんな古い動画をAIを用いて簡単に高画質化することができるのが「Aiarty Video Enhancer」です。動画に詰まった思い出を、高画質化と共に鮮明によみがえらせることができるということで、実際に使ってみました。
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・目次
◆インストール&ライセンス登録
◆Aiarty Video Enhancerを使ってみた
◆AI高画質化動画の作例
◆まとめ
◆インストール&ライセンス登録
Aiarty Video Enhancerのインストールは無料で行えます。上記URLにアクセスして、画面右上にある「今すぐ無料で始める」をクリック。

「aiarty-video-enhancer.exe」という実行ファイルがダウンロードできるので、これをダブルクリックで起動します。

「インストール」をクリック。

インストールが完了したら「開く」をクリック。

するとAiarty Video Enhancerが起動しました。

利用する前に、まずは「設定」から「モデル全体をダウンロード」をクリックして、Aiarty Video Enhancerで使用するAIモデルをすべてダウンロードしておきます。

Aiarty Video Enhancerは無料でも利用可能ですが、2分間の動画しか処理できなかったり、透かしが付いてしまったりと、制限がかかってしまいます。そこで今回は、クリスマス限定でGIGAZINE読者に配布されている「Aiarty Video Enhancerを無料で30日間使い放題になるライセンスコード」を使って、有料版のフル機能を使ってみることにしました。
画面左上の「設定」から「バージョン情報」をクリック。

すると以下のような画面が表示されるので、「登録」をクリック。

「ライセンス対象」にライセンス購入時に利用したメールアドレスを入力。GIGAZINE読者向けに配布されているライセンスコードを利用する場合は、任意のメールアドレスを入力すればOK。「ライセンスコード」にはライセンスコードをコピー&ペーストします。メールアドレスとライセンスコードが正しいことを確認したら、「登録」をクリック。これでAiarty Video Enhancerのフル機能が利用できます。

◆Aiarty Video Enhancerを使ってみた
Aiarty Video Enhancerを使うには、まずはAIで高画質化したい動画をドラッグ&ドロップで赤枠部分に移動させます。

すると以下の通り、赤枠部分にAI高画質化処理前(左)と処理後(右)の映像が並べて表示されます。

画面右上にある「ハードウェア」から、AI高画質化処理に使用するハードウェアを選択します。内蔵GPUではなくグラフィックボードを搭載したPCの場合、グラフィックボードを選択しておくと処理が非常に高速になります。

「AIモデル」では、3つのモデルを選択可能。

AIモデルの種類と特徴は以下の通りです。
・MoDetail-HQ v3
MoDetail-HQ v3は映像の鮮明度を高め、細部まで精密に描写するために設計された高性能モデルです。拡散モデルによるリアルな描写と、敵対的生成ネットワーク(GAN)による高精度な再構成を組み合わせることで、ぼかしやノイズを除去しつつ、質感豊かなフレームを生成することができます。特に髪の毛、花、屋外の植物など細部表現が重要なコンテンツに最適です。
・Smooth-HQ v3
Smooth-HQ v3は、純粋な拡散技術によって実現されたモデルで、自然な質感や本来の色味を保ちながら、ノイズ除去やぼかし軽減をバランスよく行います。過度な処理を避けつつ、細かなノイズや欠点をやさしく取り除くため、日常的な映像に柔らかく清潔感のある仕上がりを与えるのに最適です。人物映像や中程度のクオリティの映像など、自然で滑らかな表現を求める場面に適しています。
・SuperVideo vHQ
SuperVideo vHQは拡散モデルとGAN技術の強みを融合させ、極端な低照度環境でのノイズ除去に特化して設計されたモデルです。夜空、夕暮れ後の都市風景、暗い室内映像など、非常に暗いシーンにおいても、業界トップクラスのノイズ除去性能とディテール復元力を発揮します。暗所での撮影映像やザラつきの多い映像をプロ品質で改善したいときに最適です。
続いて、「拡大」で高画質化する際の拡大倍率を設定。指定した解像度へのアップスケーリングも可能です。

「強度」ではAIモデルの強度とシャープネスレベルを調整可能。初期設定では「1.00」となっており、数値を下げると高画質化処理の効果とシャープネスが弱まり、自然な仕上がりになるので、好みのバランスを見つける必要があります。

「ステップモード」を有効にすると、AIは動画を小さなチャンク(分割された部分)ごとに処理するようになります。これにより、全体的な画質が向上し、VRAMの使用量を大幅に削減することが可能。なお、「ステップモード」はGPUメモリが限られているユーザーや、高解像度映像を扱う場合に特に有効ですが、推論速度は遅くなるという点には注意が必要です。

「Turbo」は処理速度を最大限に最適化し、高画質化処理を高速化するのに適したモードです。なお、VRAMの消費が増え、ディテールの精密さがやや低下するという欠点もあります。

この他、「編集」では動画を90度回転させたり、反転させたり、クロップ(切り取り)したり、強制インタレース解除を実行したりすることができます。

「カラー」では色温度・色合い・露光・コントラスト・彩度・ハイライト・シャドウ・ホワイト・ブラックといったオプションから動画の色味を調整可能。

「HDR - (実験機能)」ではSDR動画をHDR動画に変換することができます。利用できるAIモデルは、オリジナル映像の雰囲気をできるだけ保ちながら忠実にHDR変換を行う「Neutral」、全体の明るさとハイライトを強調してより鮮やかで目を引く映像に仕上げる「Bright」、穏やかなカラーグレーディングを適用して映像の色味を豊かにする「Graded」の3つ。

「フレーム補間」では動画のフレームレートを向上させたり、フレームレートを上げた動画をスローモーションにしたりすることが可能。

「音声ノイズ除去」では音声ノイズを除去できます。なお、音声ノイズ除去に利用できるのはディープラーニングを活用して複雑な環境下でも音声とノイズをインテリジェントに分離できる「VoiceFilter」と、従来の音声処理技術とディープラーニングを組み合わせた軽量モデルの「RNNoise」です。「減衰限度(dB)」を上げるとより多くの音声ノイズを除去することができますが、音質は低下してしまいます。「ポストフィルタの閾値」では、初期のノイズ抑制後に追加で除去されるノイズの量を調整可能。

「書き出し設定」ではファイル形式・動画コーデック・音声コーデックを設定可能。Aiarty Video Enhancerで出力可能なファイル形式は「MP4」(初期設定)と「MOV」、動画コーデックは「H.264」「H.265」(初期設定)「AV1」、音声コーデックは「AAC」(初期設定)「MP3」です。最後に「選択項目を書き出す」をクリックすれば、動画を出力できます。

◆AI高画質化動画の作例
まずは2009年に発売されたパナソニックの「DMC-FT1」で撮影した以下の動画を高画質化してみました。元動画の解像度は1280×720ピクセル、フレームレートは59.94fps、ファイルサイズは12.6MBです。
LUMIX「DMC-FT1」 AVCHD Lite形式で夜間撮影 - YouTube

上記の動画をAIモデルの「SuperVideo vHQ」を使って高画質化しました。AI高画質化後の動画の解像度は2560×1440ピクセル、フレームレートは元のまま、ファイルサイズは38.8MBです。動画の処理にはNVIDIAのGeForce RTX 3060を使っており、動画の出力にかかった時間は約17分でした。
高画質化した動画が以下。解像度が向上しているだけでなく、ガードレールや大阪王将の看板がより高精細になっており、ノイズも低減されているのがわかります。
LUMIX「DMC FT1」で夜間撮影した動画をAiarty Video Enhancerで高画質化してみた - YouTube

続いて、2009年に京都の祇園祭で撮影した以下の動画を高画質化してみました。元動画の解像度は1280×720ピクセル、フレームレートは30fps、ファイルサイズは68.9MBです。
祇園祭03 - YouTube

上記の動画をAIモデルの「MoDetail-HQ v3」を使って4K動画に高画質化しました。AI高画質化後の動画の解像度は3840×2160ピクセル(4K)、フレームレートは元のまま、ファイルサイズは445MBです。動画の処理にはNVIDIAのGeForce RTX 3060を使っており、動画の出力にかかった時間は約54分でした。
処理後の動画は以下から再生できます。HDから4Kに高画質化したためか、「強度」を初期設定(1.0)のままにしているとAI処理感が強く出てしまい違和感があったので、「0.52」まで下げました。また、今回は「HDR - (実験機能)」も有効にしています。
2009年の祇園祭で撮影した動画を「Aiarty Video Enhancer」で4Kに高画質化してみた - YouTube

◆まとめ
Aiarty Video Enhancerは動画を追加し、AIモデルを選び、出力ボタンを押すだけで簡単に動画の高画質化が可能です。「AIで動画を高画質化」という字面だけ見るとなんだか難しそうに感じるかもしれませんが、実際に使ってみると想像以上に手軽で、それでいて明らかに処理前よりもレベルアップした動画を生成できます。
Aiarty Video Enhancerの永久ライセンスは1台当たり税込9780円で購入可能。さらに、税込1万280円でAiarty Video EnhancerとAI画像切り抜きツールのAiarty Image Mattingの永久ライセンスをセットで購入することもできます。
なお、クリスマス限定でGIGAZINE読者にAiarty Video Enhancerを無料で30日間使い放題になるライセンスコード「FE6NE-PPTFR-JKEOS-KRNGZ」も配布中なので、気になる人は以下からゲットしてみてください。
【公式】Aiarty Gigazineクリスマスキャンペーン|Aiarty Video Enhancer無料配布
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