GTA向けの「15年前のMOD」を含む複数のMODが突如削除されコミュニティが大混乱に陥る
グランド・セフト・オート(GTA)シリーズ向けに作成された複数のMODが、GTAシリーズの開発元であるRockstar Gamesの親会社・テイクツー・インタラクティブが行ったデジタルミレニアム著作権法(DMCA)侵害による削除申請により、削除されています。
Old GTA Mods Are Being Removed By Take-Two
https://kotaku.com/take-two-is-removing-old-gta-mods-using-dmca-notices-1847315391
GTA parent company Take-Two is issuing takedown notices to GTA modders - Eurogamer.net
https://www.eurogamer.net/articles/2021-07-18-gta-parent-company-take-two-is-issuing-takedown-notices-to-gta-modders
GTAシリーズの開発元であるRockstar Gamesの親会社であるテイクツー・インタラクティブが、2021年7月の第3週にDMCAの削除申請を利用してGTA向けの古いMODを削除していることが明らかになっています。記事作成時点ではテイクツー・インタラクティブは「なぜ古いMODを突然削除し始めたのか」について説明していません。
GTA向けのMODが削除されていることに最初に気づいたのはGTAプレイヤーとMOD開発者たちで、TwitterやTwitterやGTA向けフォーラム上で削除されたMODに関する情報が共有されたことで事態の全容が明らかになりました。削除されたMODの一部は非常に古いもので、「グランド・セフト・オート・バイスシティ」向けのMODとして2005年にリリースされた「GTA: Liberty City」もそのうちのひとつ。他にも、複数のGTAマップをひとつの大規模なゲームとして統合した人気の高いMODの「GTA:Underground」も削除されています。
MOD配布サイトのMod DBのコミュニティマネージャーによると、テイクツー・インタラクティブがDMCA削除申請を用いてGTA:Undergroundの削除を要請してきた模様。Mod DB側は削除以外の解決策を見つけようとテイクツー・インタラクティブとの対話を試みたそうですが、テイクツー・インタラクティブ側はMod DBからの申し出を受け入れることがなかったそうで、最終的にDMCAの通知を受け取ったため該当MODを削除せざるを得なくなったそうです。なお、Mod DBのコミュニティマネージャーは今後もGTA向けの古いMODに対してDMCAの削除通知が来る可能性があるとして、MOD作成者に対して「慎重に行動するように」と警告しています。
Taking down re3 and GTA V map mods was not enough, now map mods for **GTA San Andreas** are being taken down. How long before this slippery slope kills all modding?
— Silent (@__silent_) July 17, 2021
I think I'm just about done with GTA modding now. In 2014 modders' work would be boosted on Newswire... (1/5) pic.twitter.com/VFn9l6INlw
海外ゲームメディアのKotakuはGTAの古いMODに対して行われているDMCA削除申請についてRockstar Gamesに問い合わせたそうですが、記事作成時点では返答は得られていません。
なお、テイクツー・インタラクティブがGTA向けのMODを削除しようとしたのは今回が初めてではありません。2017年にもGTA向けのMODを削除し始めたものの、ゲーマーとゲームメディアの両方が削除を批判し、開発元であるRockstar GamesまでもがGTAにおけるMODの重要性を主張したため、最終的に削除申請は取り下げられることとなりました。しかし、この時に「古いGTAやその他のゲームのマップや車両、コンテンツをRAGEに移植してはいけない」「GTAオンラインを改造しないでください」といったいくつかのルールが導入されることとなりました。Kotakuは「この時点でのMOD作成に関するルールは十分に単純だった」と記しています。
しかし、2019年にこのルールはコミュニティの合意なしに一方的に更新され、複数の変更や文言が追加されることとなります。この更新により、「プロジェクト内に他のIPを使用またはインポートする行為」「新しいゲーム、ストーリー、ミッション、マップを作成する行為」がNG事項に追加されました。今回のDMCA削除申請は2019年に追加されたルールに抵触するMODに対して行動を起こしていることは明白です。
なお、今回のMODの大量削除については「グランド・セフト・オートIIIやグランド・セフト・オート・バイスシティ、グランド・セフト・オート・サンアンドレアスといった過去作のリマスター版やリメイクを準備しているからでは?」という声もありますが、同時に「テイクツー・インタラクティブはGTAオンラインの次期大規模アップデートを注目させるためのDMCA削除申請を利用しているのでは?」という意見もあります。
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