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マインクラフト最速クリアの不正疑惑で論争の渦中にいた人気配信者が自白


人気ゲーム「マインクラフト」の実況配信者として知られるDream氏がテキスト保存サービスのPastebinで2021年5月30日に、2020年末から不正行為が指摘されている自身のマインクラフトの実況プレイについて「リアルタイムアタック(RTA)で禁止されているMODを使用していた」と不正を認める声明を発表しました。

Huge ‘Minecraft’ Streamer 'Dream' Embroiled in Bizarre Speedrunning Scandal
https://www.vice.com/en/article/m7eb74/huge-minecraft-streamer-dream-embroiled-in-bizarre-speedrunning-scandal


マインクラフトは、ブロックで構成された世界の中でサバイバル生活を楽しんだり自由にブロックを配置して建築を楽しんだりできるゲームで、2019年には累計販売本数が1億7600万本を突破したことで「世界で最も売れたゲーム」となるほど人気の高いタイトルです。

マインクラフトの累計販売本数が1億7600万本を突破し「世界で最も売れたゲーム」に - GIGAZINE

by BagoGames

マインクラフトはそのあまりにも高い自由度で人気のゲームですが、実は一般的なロールプレイングゲーム(RPG)と同じように、倒すとエンディングとスタッフロールが流れるラスボス「エンダードラゴン」が存在します。Dream氏は2020年10月に、マインクラフトのJava Edition バージョン1.16のタイムアタック動画を、タイムアタックの記録を集めるサイト・speedrun.comに投稿しました。

以下のムービーは、Dream氏が公開しているマインクラフト配信の一部。

Minecraft Speedrunner VS 3 Hunters GRAND FINALE - YouTube


しかし、speedrun.comのモデレーターは、Dream氏の投稿した動画をチェックした上で、「Dream氏のプレイはMODを使用しており、不正なものである」と判断し、記録の受け付けを拒否しました。


エンダードラゴンのいる場所にたどり着くためには「エンダーアイ」というアイテムを複数使ってテレポートする必要があり、このエンダーアイというアイテムを手に入れるためには「エンダーパール」と「ブレイズロッド」という入手難度の高い素材をゲットする必要があります。Dreams氏の動画ではこのエンダーアイの材料となる素材のドロップ率が異常に高かったため、モデレーターはMODの使用を疑ったというわけです。

speedrun.comのモデレーターを務め、Mincraftのタイムアタックを研究する有志達は、「Dream氏のプレイがいかにありえないか」を29ページにわたる(PDFファイル)論文にまとめ、2020年12月11日に発表しました。この論文ではDream氏のアイテムドロップ率が、複雑な数式や二項分布などの理論を用いながら検証を重ねられており、モデレーターチームは「Dream氏の配信におけるドロップ率は非常に例外的であり、分析の必要があります」と論じました。

なお、論文の内容をまとめたムービーを以下から見ることができます。モデレーターチームは、Dream氏のプレイにおけるドロップ率はわずか1770億分の1という確率の上で成り立っていることとなり、あまりにも偶然が過ぎると主張しています。

Did Dream Fake His Speedruns - Official Moderator Analysis - YouTube


この論文に対して、Dream氏は「モデレーターチームは公平性に欠けており、鈍感でプロ意識が乏しく、もううんざりです」とコメントし、モデレーターチームを強く批判しました。


さらにDreams氏は12月23日に、モデレーターチームの論文に反論するため、天文学博士号を持つ匿名の研究者の協力のもと、(PDFファイル)論文を発表。この論文には、エンダーパールとブレイズロッドを含むアイテムドロップ率についての統計理論がまとめられていました。しかし、モデレーターチームは「匿名の天文学者の数学なんてクソである」と宣言し、12月30日に反論の反論となる(PDFファイル)論文を発表しました。

結果として、speedrun.comのモデレーターチームと、470万人のTwitchフォロワーと2280万人のYouTubeチャンネル登録者を誇る人気配信者のDream氏の対立は、他のマインクラフトユーザーやDream氏のファンを巻き込んだ大論争に発展しました。

そして2021年5月30日に、Dream氏は「午前4時に風呂の中から携帯電話で書き連ねた」というおよそ2000語の声明文を突如Pastebin上で発表しました。声明文の中でDream氏は、自身がカスタムデザインのMODを使っていたことでカスタムドロップ率が上がっていたことを認めた上で、「このMODが潜在的に問題の原因になっていたかもしれません」「このMODが、モデレーターが指摘するほどの重大な違反だとは思わなかった」と謝罪しました。また、「モデレーターの批判は自分が人気YouTuberであることをやっかんだものだと信じていました」と述べ、最終的に偏執的思考に陥り、まともな思考ができなくなってしまったと釈明しました。

by downloadsource.fr

Dream氏の釈明を受けて、モデレーターチームの1人で反論動画を作成したGeo氏はTwitterで「Dream氏と自分は再び落ち着きました。今日ついに争いが終結するようでうれしいです」とコメントしました。

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in 動画,   ゲーム, Posted by log1i_yk

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