女性っぽいブランド名は「暖かい」とみなされ売上が上がるという研究結果
イタリアでは基本的に「-o」で終わるものが男性名、「-a」で終わるものが女性名だとされるように、ブランド名にも「女性っぽい名前」「男性っぽい名前」があります。こうした名前自体が持つ性別について、「女性らしい名前はブランド力を向上させる」という研究結果が発表されました。
EXPRESS: Is Nestlé a Lady? The Feminine Brand Name Advantage - Ruth Pogacar, Justin Angle, Tina M. Lowrey, L. J. Shrum, Frank R. Kardes,
https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/0022242921993060
The market advantage of a feminine brand name -- ScienceDaily
https://www.sciencedaily.com/releases/2021/02/210217091028.htm
ブランド名が持つ性別に着目したのは、カナダ・カルガリー大学ハスケイン経営学部のルース・ポガチャル助教授が率いる研究チーム。ポガチャル助教授らは、世界最大のブランディング会社インターブランドが毎年発表しているグローバル・ブランドランキングTOP100の20年分のデータを対象に、男性らしいブランド名と女性らしいブランド名がランキング内でどのような地位を占めるかを調べました。言語に応じて名称の持つ性別は異なる場合がありますが、今回の研究では女性らしい名称は「長い」「音節が多い」「2番目以降の音節に強弱アクセントがある」「母音で終わる」もの(例:Amánda)と、男性らしい名称は「強弱アクセントのある単音節ないしは、2音節以上の場合は最初の音節に強弱アクセントがある」「子音で終わる」もの(例:Édward)とされました。
その結果、過去20年のグローバル・ブランドランキングTOP100において、女性的な名称を持つブランドはランクインする可能性が高く、さらにランクが高いブランドほど女性的な名称である可能性が高いことが判明。この現象を確認するために被験者に対して今まで聞いたことのないブランド名のイメージについて尋ねるという実験を行ったところ、女性的なブランド名は「誠実さが感じられる」とみなされ、被験者が「購買意欲が促進される」と回答しやすくなるという傾向が示されました。
ただし、ブランド名が持つ性別の効果は「商品による」ことも判明しています。男性用スニーカーなどの男性向け製品においては、ブランド名が持つ性別の効果はなく、体重計などの純粋に機能のみが求められる製品はむしろ男性的なブランド名が好まれるという傾向が確認されました。その一方で、チョコレートなどの快楽に直結する製品は女性的なブランド名が強く好まれるとのこと。
研究チームのティナ・ロウリー氏は「特に快楽に関係する製品の名称を決める際には、言語学的にみて女性らしい名前を検討することをお勧めします」とコメントしています。
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