サイエンス

人の脳波を読み取って好みの顔を生成する技術が誕生


世界で最も美しい顔トップ100」が毎年のように発表されるなど、「美しい顔」は世界中で追求され、評価されてきています。しかし人の好みは千差万別、どの顔を「美しい」と捉えるかは個人の感覚によって全く異なります。2021年3月5日、ヘルシンキ大学のミシェル・スペープ氏らは、脳波を読み取ってその人の好みの顔を作り出す技術を作成したと発表しました。

Brain-computer interface for generating personally attractive images - IEEE Journals & Magazine
https://ieeexplore.ieee.org/document/9353984

Beauty is in the brain of the beholder: An AI generates personally attractive images by reading brain data | University of Helsinki
https://www2.helsinki.fi/en/news/data-science-news/beauty-is-in-the-brain-of-the-beholder-an-ai-generates-personally-attractive-images-by-reading-brain-data

Beauty is in the Brain: AI Reads Data, Generates Personally Attractive Images
https://www.laboratoryequipment.com/573909-Beauty-is-in-the-Brain-AI-Reads-Data-Generates-Personally-Attractive-Images/

スペープ氏らはまず、敵対的生成ネットワークを用いて何百枚ものリアルな顔写真を生成。脳波計を付けた合計30人の被験者に対し何枚かの顔写真を見せ、それぞれの被験者が「魅力的である」と感じた顔により注目するよう指示しました。


その後読み取った脳波を分析し、被験者から活発な脳波が計測されたいくつかの顔が共通して持っていた特性を確立させ、それらの特性を組み合わせた新しい顔をAIを用いて作成しました。

そして被験者ごとに生成された「その人が好むであろう顔」を他のいくつかの顔写真と同時に被験者に見せ、「最も魅力的な顔」を1枚選んでもらったところ、およそ87%の確率でAIが生成した顔写真が選ばれたとのこと。


スペープ氏は「客観的な要素から画像を生成する実験は既に成功していましたが、今回の実験により、個人の趣味などの主観的な要素から画像を生成できることが示されました」と述べています。また、スペープ氏はこの技術を個人が潜在的に抱くステレオタイプや偏見などを特定するために役立てることができるかもしれないとも期待しています。

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in サイエンス, Posted by log1p_kr

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