たった1つの細胞からイモリが生まれるまでの神秘的なムービーが公開中
人間やあらゆる動植物を含む多細胞生物は1つの細胞が2個以上の細胞に分かれる生命現象「細胞分裂」によって成長します。「アルプスイモリがたった1つの細胞から細胞分裂を経て誕生する」という過程をつぶさに捉えたムービーが不思議なほど美しく、生命の神秘を感じさせてくれます。
See a Salamander Grow From a Single Cell in this Incredible Time-lapse | Short Film Showcase - YouTube
最初に映し出されたのは、まだ細胞分裂が始まっていない段階のイモリの受精卵。卵の黄身のようにも見えますが、映像では地球を覆う雲のように表面がうごめいています。
そんな受精卵の表面に突然くびれができて……
2つに分裂。
さらに分裂は続いて細胞の数は4つに。これは卵割と呼ばれる受精卵の細胞分裂の初期段階で、この名は卵が割れるように見えることに由来しています。
4つまでは各細胞の位置や大きさはバランスがとれていましたが、これ以降は各細胞の見た目上の大きさは不揃いな感じに。
各細胞に一瞬だけシワが入った直後に2つに分かれるというプロセスを繰り返します。
何度も細胞分裂を経た後、表面にはウロコのような不思議な模様が形成されました。
さらに細胞分裂を繰り返すと、このウロコは細かく分割されて肉眼では見えなくなり……
今度は逆にツルツルの球に戻ったように見えます。
さらに続くと、今度は表面に唇のような部分が登場。
大きなくぼみが形成されて、表面は泡だった状態に。
以下のようなギョウザを折りたたんだような形状になると、モゾモゾとうごめき出しました。
さらにクロワッサンのような形状に変化し、これまで包まれ続けていた薄皮から大きく体をよじって脱出。
次第に表面にはイモリっぽい斑点が見え始めます。
4分頃からは「ドクン、ドクン……」という鼓動の音が追加。
オタマジャクシのような姿になる頃には、眼球がハッキリとわかるように。薄膜の中でビチビチと活発に動き回ります。
さらに頭部には樹木のように枝分かれした外鰓(がいさい)と呼ばれるえらが生えてきます。外鰓はイモリやサンショウウオなどの有尾類の幼生に見られる特徴の1つで、通常は成長して肺が形成されるとともに消えてなくなるものですが、ウーパールーパーなどの一部の有尾類は成長後も外鰓が残ります。
最終的には薄膜の中で大きく身をよじって……
ズボッと脱出。
ふ化直後の幼生はこんな感じ。四肢はまだ育っておらず、イモリというよりも魚に近い見た目となっています。
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