新型コロナウイルス対策のためビタミンD摂取量を増やすよう200人以上の科学者・医師が要望
「こうすれば新型コロナウイルスに感染しなくなる」という方法はありませんが、少なくとも、ビタミンDの濃度が低いと新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染しやすくなり、重症化もしやすくなることは確かであるとして、科学者・医師ら200人以上がビタミンDの摂取量をすぐに増やすよう求める公開書簡を出しています。
#VitaminDforAll: 100+ Authorities Call For Vitamin D To Combat COVID19
https://vitamindforall.org/letter.html
COVID-19に感染した際、重症になりやすい人はビタミンD不足であるということは、2020年4月の段階で指摘されていました。
新型コロナウイルスの重症患者はビタミンD不足であることを示す研究結果が発表される - GIGAZINE
栄養学者らから、ビタミンDの大量摂取による副作用を懸念する声もありましたが、その後の臨床試験で、ビタミンDがCOVID-19の重症度を下げる効果があることが示されています。
「ビタミンD」が新型コロナの重症度を低下させると臨床試験で示される - GIGAZINE
今回の呼びかけは、「すべての政府、公衆衛生当局、医師、医療関係者」に対してのもの。
具体的には、
・COVID-19のリスクを下げるため、25-ヒドロキシビタミンDの血中濃度は30ng/ml(70nmol/l)を推奨。
・臨床試験は行っていないが、成人はビタミンDを1日4000IU(100μg)、最低2000IU(50μg)摂取することを推奨。
・肥満の人、肌の色が濃い人、介護施設に入っている人などビタミンD欠乏症のリスクが高い人は、摂取量を2倍などに増やすことを推奨。
・上記量の投与をまだ受けていないのであれば、1日1万IU(250μg)の投与を2~3週間続けるか、ビタミンDの血中濃度が30ng/mlになるまで投与を受けるかしたのち、上記量の投与を受けるようにすることを推奨。
・すべてのCOVID-19患者の25-ヒドロキシビタミンD血中濃度を測定し、ビタミンD2かビタミンD3の投与で、30ng/ml未満の機能不全を治療する。
という内容。
新型コロナウイルスへの感染要因としては年齢、性別、既往症などいろいろなものが挙げられていますが、「ビタミンDの欠乏」はすでにCOVID-19重症化に影響しているという証拠が多数ある上に、容易かつ迅速に対応可能なリスク要因です。また、コストも安価です。
このため、書簡は太字で「ただちに行動してください」と結ばれています。
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