脱線して転落寸前の電車をクジラの彫刻が救うという奇跡的な事故が起きる
オランダ南ホラント州のスパイケニッセで、地下鉄の脱線事故が発生しました。脱線した車両は高所から落下する寸前でクジラの尾の彫刻に乗り上げて落下を免れています。
Berging ontspoord metrostel Spijkenisse begint dinsdag; twee woningen worden ontruimd - Rijnmond
https://www.rijnmond.nl/nieuws/200712/Berging-ontspoord-metrostel-Spijkenisse-begint-dinsdag-twee-woningen-worden-ontruimd
Ontwerper walvisstaart onder metro: 'Dat het kunstwerk zo sterk is, verbaast me' - Rijnmond
https://www.rijnmond.nl/nieuws/200705/Ontwerper-walvisstaart-onder-metro-Dat-het-kunstwerk-zo-sterk-is-verbaast-me
現地時間の2020年11月3日(火)深夜に、オランダ・ロッテルダムにあるロッテルダム地下鉄の南北線の終着駅であるDe Akkers駅で脱線事故が発生しました。事故の経緯は記事作成時点では不明ですが、脱線した車両はDe Akkers駅に飾られていたクジラの尾の彫刻の上に乗り上げて停止し、落下を免れました。
De Akkers駅は終着駅ですが、駅のホームから終端側(左)にさらに線路が伸びており……
その末端部分に「Walvisstaarten(クジラの尾)」という名の彫刻があります。
オランダの彫刻情報をまとめるMens & Dier in Steen & Bronsによると、クジラの尾の彫刻が作成されたのは2002年で、作成者はMaarten Struijs氏。
Spijkenisse - Walvisstaarten
このクジラの尾の彫刻に脱線した地下鉄車両が乗り上げ、停止しました。クジラの尾の彫刻は水上約10メートルの位置にあるため、車両の回収が困難になっている模様。スパイケニッセ市役所は車両を回収するためのクレーン車を彫刻の近くに配置するために、周辺に足場を設置する予定としています。また、車両の回収には周辺にある2軒の家で暮らす人々を避難させる必要があるそうです。
以下がクジラの尾の彫刻に乗り上げた地下鉄の車両
彫刻の作成者であるStruijs氏は、De Akkers駅の設計を担当した建築家でもあります。同氏によると、線路の末端部分にクジラの尾の彫刻が設置されたのは、地元住民の後押しがあったためだそうです。Struijs氏は最初、クジラの尾の彫刻を設置しようとしていたものの、「次第に別のアイデアを試したいという考えに傾いていった」と語りました。しかし、地元住民たちからの「クジラの尾の彫刻を設置すると約束したはず!」という声を受け、最終的に2つのクジラの尾の彫刻を線路の末端部分に設置することとなったと説明しています。なお、Struijs氏は「彫刻が非常に頑丈であることに驚いています」と語り、彫刻が修復されることを望んでいるとも述べています。
自身の作ったクジラの尾の彫刻に乗り上げた地下鉄の車両をカメラで撮影するStruijs氏
なお、脱線事故を起こした地下鉄の車両には乗客は乗っておらず、運転していた運転手も無傷とのこと。地元警察は運転手に事情聴取を行っていますが、記事作成時点では脱線時の詳細については明らかになっていません。
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