悪口を自動でソフトな表現に変えるフォントが登場、「嫌い」は「賛成しない」に変換
いじめや人種差別などにつながる攻撃的な表現を、自動でやわらかい表現や優しい言葉に変換する「The Polite Type」をフィンランドの企業、tietoEVRYがリリースしました。
The Polite Type – An initiative against online bullying
https://www.thepolitetype.com/
Finnish 'Polite Type' font combats cyberbullying
https://techxplore.com/news/2020-08-finnish-polite-font-combats-cyberbullying.html
The Polite Typeは試用版も公開されており、以下のURLから実際に使ってみることができます。
The Polite Type – An initiative against online bullying
https://www.thepolitetype.com/#try-it
試用版は以下のフォームに最大50文字まで入力可能。
たとえば、「I hate you(あなたが嫌いです)」と入力すると……
文章が自動的に「I disagree with you(あなたに賛成できません)」というオブラートに包んだ表現に変わります。
「ugly(醜い)」と入力した場合は……
「not traditionally beautiful(伝統的な美しさではない)」に自動で変換。
「stupid(愚か)」のような攻撃的な表現は「silly(ばか)」に変換されます。なお、「stupid」も「silly」も和訳すると「愚か」や「ばか」という意味になるのですが、英語圏における「silly」は他の侮辱的な表現と比較しても程度の軽い表現のようです。
単語によっては変換されるのではなく、ぼかしが入ることもありました。
The Polite Typeを開発したtietoEVRYのコミュニケーション・サステナビリティ担当であるキア・ヘリング氏は「私たちの目的は平等と社会的包摂を促進することです。攻撃的な言葉を使う人は『自分が使う言葉が実際にどんな意味を持つのか』を考え直してほしいのです。The Polite Typeは、デジタルソリューションにおける安全で平等な環境を作るという私たちのビジョンをサポートするものです」とコメントしています。
また、The Polite Typeの開発チームは「私たちは、言論の自由の権利には反対意見を述べる権利も含まれていると信じています。しかし、ヘイトスピーチは反対意見を述べるための有効な方法ではありません。オンライン上でいじめや誹謗中傷をする人々には、自分の行動の意味をよく考えてほしいと願っています。私たちの能力、責任ある技術の使用、そしてコミュニティとの協力があれば、多様性と社会的包摂が規範となる明るい未来を創造できると信じています」とコメントしています。
記事作成時点で、The Polite Typeは英語のみに対応しており、約1800種類の攻撃的な表現を変換可能。The Polite Typeの公式サイトから無料でダウンロードすることができます。
The Polite Type – An initiative against online bullying
https://www.thepolitetype.com/
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